ラノベ質問状:「ロウきゅーぶ!」 失いかけた熱い気持ちを 少女たちの成長譚

蒼山サグさん作、てぃんくるさんイラストの「ロウきゅーぶ!」7巻(アスキー・メディアワークス)
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蒼山サグさん作、てぃんくるさんイラストの「ロウきゅーぶ!」7巻(アスキー・メディアワークス)

 話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は小学校の女子バスケ部の臨時コーチを務めることになってしまった主人公と部員たちの触れ合いを描いたコメディー「ロウきゅーぶ!」(蒼山サグ著、てぃんくる画)です。アスキー・メディアワークス電撃文庫編集部の和田敦さんに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 −−この作品の魅力は?

 この作品の魅力は、まずは湊智花をはじめとする5人の小学生バスケ部員たちの成長していく姿でしょうか。何かのために、誰かのために一生懸命に頑張る姿は、担当編集としても心を打たれました。

 もちろん、無邪気で純粋なそれぞれの思いを抱えた少女たちの可愛さも見どころの一つだと思います。でもそんな女の子たちが、仲間を信じ抜いたり自分の殻を破っていこうとしたりと、そんな姿を見るだけでも、失いかけた何かしらの熱い気持ちを思い出したりもできました。特に学生時代に部活をやっていた方には、すごく共感できるのではないでしょうか。

 −−作品が生まれたきっかけは?

 「ロウきゅーぶ!」は第15回電撃小説大賞への応募作で、銀賞を受賞した作品です。応募原稿を読んだ時から、僕自身もすごくハマりました。タイトルも「ロウきゅーぶ!」と、“籠球部(ろうきゅうぶ)”はもちろんのこと、“ロウ(で)休部”のダブルミーニングになっていたのも面白かったです。この“ロウ(で)休部”の方は、低い方の“LOW”なのか、法律の“LAW”なのかもあって、こっちもダブルミーニングになっているのかな~と勝手に思ったりもしました(笑い)。

 −−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか。

 イラストを担当しているてぃんくる先生は、かなり以前から注目しておりましたし、いつか組んで作品作りをしたいと思っていました。そして、この「ロウきゅーぶ!」の応募作を読んだ時、「この作品こそ、てぃんくる先生に!」と、受賞する前から決めていたほどです。

 でも受賞が決まって、著者の蒼山サグ先生にも一応、「『スラムダンク』と『苺ましまろ』どっちも好きだと思いますが、強いて選ぶならどっちですか?」と聞いたところ、蒼山先生も『苺ましまろ』と答えてくれたので、迷いなくてぃんくる先生に発注しました(笑い)。

 てぃんくる先生も小学生を描くのは好きなのではないかな~と勝手に思ってはいたのですが、やはり作品も小学生たちも気に入ってくれまして、すごく幸せな作品作りになりました!

 −−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。

 今年の夏は、念願のテレビアニメがスタートします! 作家さんはもちろんですが、担当編集としましても、テレビアニメ放送はすごく楽しみです。

 ただ、そこに向けての準備はなかなかに大変だったりします。やっぱり、小説を好きで読んでくれる読者の方も、アニメを見てから知ってくれた方も、両者ともに満足できるアニメを目指して、担当編集も自らプロデューサーになってアニメに絡みます。そうしますと本作りとは違ういろいろな場面を経験していくので、そこが大変でもあり、新発見でもあるところだと思います。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 夏から始まるテレビアニメ放送だけでなく、「ロウきゅーぶ!」はPSPゲームに、コミック、4コママンガと、幅広くメディアを広げております。それぞれのメディアならではの面白さを追求していきますので、文庫と一緒に楽しんでいただければ幸いです。

 特にゲームの方は、シナリオを蒼山先生が全面監修していますし、イラストも、てぃんくる先生のアシスタントの方が担当してますので、必ずや原作ファンも満足できるのではないかと思います!

 アスキー・メディアワークス電撃文庫編集部 和田敦

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