村上もとか:咲や野風のモデルはウランちゃん? 手塚治虫文化賞贈呈式で「JIN」語る

第15回手塚治虫文化賞贈呈式に出席した「JIN−仁−」作者の村上もとかさん
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第15回手塚治虫文化賞贈呈式に出席した「JIN−仁−」作者の村上もとかさん

 第15回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の贈呈式が27日、東京都中央区の浜離宮朝日ホールであり、「JIN−仁−」でマンガ大賞を受賞した村上もとかさんが登壇。「僕のマンガ家人生の重要なところに手塚先生の影響が大変大きくあります。手塚先生によってマンガというものが、字が読めない子供でも夢中になれるような、読者にとって最も身近な表現手段がマンガであるということを教えてもらいました」とあいさつした。

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 「JIN」は、大学病院の脳外科医が幕末にタイムスリップしてしまうSF医療ドラマ。満足な医療器具や薬もない状態で人々の命を救う中、坂本龍馬や勝海舟ら幕末の英雄と知り合い、激動する歴史に巻き込まれる……というストーリー。00年4月~10年11月に「スーパージャンプ」(集英社)に連載され、09年10月からテレビドラマ化されてヒットし、現在は続編が放送中。同賞では「生涯を通じて生命を描いた手塚治虫先生の賞にふさわしい」とメッセージ性が評価された。同じくマンガ大賞には松本大洋さんと永福一成さん(原作)による「竹光侍」も選ばれた。マンガ大賞2作の受賞は、09年以来2度目。

 贈呈式後のトークイベントで村上さんは「ハレンチ学園」などの代表作があるマンガ家の永井豪さんと対談、「JIN−仁−」に出てくる“咲”や“野風”といった女性たちのモデルについて永井さんから聞かれると「僕の女性像の根本は手塚先生の描く女性たち」と語り、小学校6年生の時に「鉄腕アトム」の“ウランちゃん”を描くことにハマったというエピソードを披露、「ウランちゃんのパンツをちょっと(絵に入れて)見せるとみんな喜んでくれて(笑い)」と笑った。そして「手塚先生のお描きになったチラリズムはすばらしい」と話し「(手塚先生は)誰にも描けないエロチズムを描かれた」とトークは盛り上がった。

 贈呈式には村上さん、松本さん、永福さんのほか短編賞「C級さらりーまん講座」「パパはなんだかわからない」などサラリーマンを描いた一連の作品で受賞した山科けいすけさんが出席。新生賞に選ばれた「鋼の錬金術師」の荒川弘さんは欠席だったがアニメで主役のエドワードの声を務めた声優の朴ロ美さんが出席した。(毎日新聞デジタル)

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