俳優の仲代達矢さん主演の映画「春との旅」(小林政広監督)が、6月8日に中国・北京で開幕する「日中映像交流事業『日本映画、テレビ週間/日本アニメ・フェスティバル』」のオープニング作品として上映されることが決まった。また、同作は「第20回日本映画批評家大賞」で作品賞はじめ5部門を受賞し、今年度最多の5冠に輝いたことがわかった。
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「春との旅」は、世界各国の映画祭で数々の受賞歴を持つ小林監督が原作・脚本を手がけた。北海道の寂れた漁村でささやかな2人暮らしを送っていた74歳の老漁師・忠男(仲代さん)と19歳の孫娘の春(徳永えりさん)。地元での仕事を失った春が東京で職を探すため、足の悪い忠男の世話を頼もうと、北海道から東北へと疎遠になった家族を訪ねる旅に出る……という感動作。大滝秀治さん、菅井きんさん、小林薫さん、田中裕子さん、戸田菜穂さん、香川照之さんら豪華キャストも出演しており、「第65回毎日映画コンクール」の日本映画優秀賞にも選ばれている。
「日中映像交流事業」は、12年の日中国交正常化40周年へ向けた大きな弾みとして、日中両国の映像ビジネスの拡大や日中文化産業の発展、映像分野での日中交流の拡大を目的としており、温家宝首相が今月来日した際の日中首脳会談で、温首相から「映画、テレビ週間」、「アニメ・フェスティバル」を開催したいとの提案があり、両首脳が合意したことを受けて実施される。東日本大震災の被災者にエールを送りたいという趣旨で、被災地となった宮城県気仙沼市を舞台とした同作がオープニング上映作品に選ばれた。開幕イベントには、小林監督、仲代さん、徳永さんが出席する予定。
また、同作は映画評論家が選ぶ「第20回日本映画批評家大賞」では、「作品賞」をはじめ、主演の仲代さんが「ダイヤモンド大賞(荻昌弘賞)」、徳永さんが「新人女優賞(小森和子賞)」、高間賢治さんが「撮影監督賞(富士フイルム奨励賞)」、金子尚樹さんが「編集賞(浦岡敬一賞)」に選ばれ、今年度の最多受賞となる5冠を達成した。(毎日新聞デジタル)
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