兄弟漫才コンビ「まえだまえだ」が主演を務める映画「奇跡」(是枝裕和監督)の九州先行公開が4日から始まり、出演者らが舞台あいさつ行脚を行った。主役の2人は撮影で最も印象に残ったシーンに母親役の大塚寧々さんが父親役のオダギリジョーさんにたこ焼きを投げつける食卓での場面をそろって挙げ「本当に怖かった」「たこ焼きぶつけるのがオダギリさんの顔に当たってたし」と感想を語ると、大塚さんは「怒るシーンなので本当に怒ってて、子供たちがびくっと本当に怖がってるのがわかりました。たこ焼きはオダギリさんの体にぶつけるつもりがコントロール悪くて顔に当たっちゃいました」とにこやかに語った。
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舞台あいさつは4~6日に福岡県博多市の3劇場、熊本県の3劇場、鹿児島県の2劇場で行われ、初日の4日は福岡県博多市のJR博多シティ屋上の鉄道神社で大ヒット祈願も行われた。同シーンについて兄の前田航基君(12)は「本当に怖かった。1分前まで優しかった人が、いきなりキーっと目が上がって怒るから」と明かし、弟の前田旺志郎君(10)も「あれは本当に怖くてびっくりした」と振り返っていた。
「奇跡」は、11年3月の九州新幹線全線(博多−鹿児島中央間)開通に向けJR九州とJR東日本企画が企画した映画で、鉄道が好きだということで是枝監督がメガホンを取った。離婚した両親が仲直りし、再び家族4人で暮らす日を夢みる航一(航基君)は母親や祖父母と鹿児島で暮らしながら、福岡で父親と暮らす弟龍之介(旺志郎君)と連絡を取っては、家族を元通りにする方法に頭を悩ませていた。一方、鹿児島や博多は九州新幹線全線開通で沸きに沸いていた。開通式の日、博多から南下する「つばめ」と鹿児島から北上する「さくら」、二つの新幹線の一番列車が行き交う瞬間に奇跡が起こる。そんなうわさを聞きつけた2人は、まさに「奇跡」を起こすための壮大で無謀な計画を立て始める……というストーリー。
是枝監督(49)は「九州にまた戻ってきて、この作品が公開できることがとてもうれしいです」とあいさつ。航基君は「監督やスタッフさんたちが撮った作品ではありますが、この映画は九州のみなさんに協力してもらって一緒に作った作品なので今日の日が迎えられてとてもうれしい」とコメントし、旺志郎君は「九州はおいしいものがたくさんあった。博多ではやっぱ明太子が最高。撮影で1本まるまる食べるシーンがあって、最高だった」と話して会場を和ませた。
映画は11日から全国公開。(毎日新聞デジタル)
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