やなせたかし:紅白出場が最後の望み? 自慢ののどで日本漫画家協会賞表彰

日本漫画家協会賞の贈賞式で自慢ののどを披露するやなせたかしさん
1 / 1
日本漫画家協会賞の贈賞式で自慢ののどを披露するやなせたかしさん

 「第40回日本漫画家協会賞」(同協会主催)の贈賞式が10日、東京都内であり、マンガ家で同協会会長のやなせたかしさんが、参議院議長賞に選ばれた西原理恵子さんら受賞者への表彰状を歌いながら読み上げるなど自慢ののどを存分に披露した。受賞のあいさつに立った西原さんは「やなせ先生はもうマンガはほとんどやめて、歌手になろうとしてるらしいです。歌わないと出てこないと評判。毎年、実は年末の日は空けているらしいんです。紅白歌合戦に出ることが最後の望みらしいので、関係者の方がいたら、ぜひ出場させていただきたい」とアピールした。 

ウナギノボリ

 日本漫画家協会賞は、マンガ文化の普及と日本マンガ界の向上をはかるため、優秀作品を顕彰するもので、今年で40回目。大賞には、くさか里樹さんの「ヘルプマン!」(講談社刊)とウノ・カマキリさんの「落画」ほか一連の作品が選ばれ、「まんが・コンテンツ課」がある高知県に特別賞、西原さんの「毎日かあさん」(毎日新聞社刊)に参議院議長賞、萩尾望都さんの全作品に文部科学大臣賞が贈られた。

 やなせさんは、それぞれの作品についての講評も行い、西原さんの「毎日かあさん」について、「これがまためちゃくちゃなんですよね。マンガ界の常識を破っている。コマのとり方もまったく違う。ムサビ(武蔵野美術大学)を出てるのに、よくこの絵でデッサンをパスしたねえ」とコメントしながら、「一見非常に雑に描いてるように見える。ところが、その底に詩情が流れてる。リリックなんだよねえ。家庭マンガなのにしょっちゅう海外に行っていて視野が広いし、ある部分には知性を感じる」と評価していた。

 贈賞式には、西原さん、やなせさんのほか、受賞者のくさかさん、ウノさん、高知県の尾崎正直知事が出席。会場には、西岡武夫参院議長や同協会常務理事のちばてつやさんら多数の漫画家、関係者が詰め掛けた。(毎日新聞デジタル)

マンガ 最新記事