米のゲーム展示会「E3」で、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の新型携帯ゲーム機「プレイステーション・ヴィータ(PSVita)」がお披露目された。ネットに詳しい人なら周知だろうが、その名はうわさになっていた。情報の中には意図せず漏れるものも多いが、中にはあえてリークさせる手法もあるのだが、いずれにせよ、メディアをうまく使ったもの勝ちだ。
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PSPは、国内では「モンスターハンターポータブル」シリーズがヒットしているが、世界的に見ればその販売状況は依然として厳しいから、その状況を打開するのがPSVの使命だろう。そしてPSVitaのスペック(性能)は発表済だったためか、任天堂の新型ゲーム機「Wii U」の方がトピックの露出が多く、液晶画面付きのコントローラーは、コアユーザーの議論となった。PSVitaとWii Uという全く違うように見える二つのゲーム機だが、小型化、液晶画面、通信機能の強化というキーワードがあった。まさにコンシューマーゲームメーカーが見たスマートフォン的な手法だ。
既に家庭用ゲームのメーカーがやりたかったことは、スマートフォンのスペックであれば実現可能な領域に入った。もちろん機種ごとの性能差はあるが、ソフトメーカーはゲーム機に合わせてソフトを変えてきた歴史がある。また、東芝とソニーの中小型液晶ディスプレーの事業統合が報道されていることも象徴的だ。もしかすると近い将来、ソニーの新型ゲーム機がバイオや、ダイナブックに集約されたり、一部の機能が搭載されたり、連動しても違和感はないだろう。
こう書くとテレビゲーム機がなくなるように思えるがそうではない。テレビが生まれ、ビデオやDVDが普及して、モバイル機器で映像を見れる時代になっても、街の映画館がなくならない理由と同じで、そこでしか体験できないエンターテインメントがある限り、それはなくなることはない。ゲーム機を介したエンターテインメントのあり方、消費のされかたが変わってくるわけで、時代の変化にどれだけ対応できるかがポイントなのだ。
くろかわ・ふみお=1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、映画・映像ビジネス、ゲームソフトビジネス、オンラインコンテンツ、そしてカードゲームビジネスなどエンターテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。ブログ「黒川文雄の『帰ってきた!大江戸デジタル走査線』」(http://blog.livedoor.jp/kurokawa_fumio/)も更新中。
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