穂のか:初めての歌と踊りに「緊張します」 舞台「似非紳士」インタビュー

舞台「似非紳士」に出演する女優の穂のかさん
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舞台「似非紳士」に出演する女優の穂のかさん

 女優の穂のかさん(21)が出演する舞台「似非紳士(えせしんし)」が30日から始まる。日本舞踊と歌、芝居、ピアノの生演奏を盛り込んだ新感覚ミュージカルで、同作で初めて踊りや歌に挑戦するという穂のかさんに舞台の見どころ、意気込みなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 母親に愛されたい一心で、令嬢をだまして結婚式に挑む主人公・雅輝(川久保拓司さん)。便利屋で雇ったのは、世界一うそが嫌いな女・奈美(穂のかさん)。果たして雅輝は奈美をうまく巻き込み、無事に式を遂げられるのだろうか。便利屋の一味を連れて、つぎはぎだらけの式が幕を開ける……というストーリー。

 穂のかさんが舞台に出演するのは「カフカの『変身』」(10年)、「結婚狂想曲」(10年)に続き3作目。役作りのために3年ぶりに髪を染めたという。黒髪のイメージが強かったが、茶色の髪もとてもよく似合っていた。

 −−どんな作品なのでしょうか。

 奈美はうそが嫌いなまっすぐな女の子。タイトルやチラシのタイトルはおどろおどろしく、シリアスものだと思われるんですが、見やすいコメディーです。お芝居の中に表現技法として踊りや歌、ピアノの生演奏がある感じで、デビューして初めて歌ったり、踊ったりするので緊張します。もともと踊ることは好きなので楽しいですね。

 −−演出の広光美絵さんからはどんな演出を受けたのでしょうか?

 私の役が素に近いので、細かいところですね。(私も)台本とかセリフとか気になることを言っちゃうタイプなのですが、広光さんは聞いてくれて、答えてくれるのでありがたいですね。コミュニケーションを密にとってやっています。

 −−出演のきっかけは?

 広光さんから直接お話がきました。お芝居の内容を聞いて、踊りもあって歌もあってというのをやったことがないので、初の試みとしてやってみたかったです。

 −−3回目の舞台出演ですが、それぞれ違うものなのでしょうか。

 1回目はイギリスのスティーブン・バーコフさんという演出家で、2回目は劇団(「PU−PU−JUICE」)もので、舞台の色が全然違う。舞台だからと言って前の舞台と同じことが通用するかと言ったらそんなことはないし、演出方法や練習方法が全然違うので、新たな気持ちで、勉強することもあり(という感じ)。今回はダンサーさんを含め人数も多く、女子はサバサバしているので、女の子が多い舞台ですけれど、ドロドロしたものはないです(笑い)。マイペースなので、いい意味で気を使わないというか、みんな好き勝手やりつつコミュニケーションは取れているので、人に恵まれていると思います。

 −−穂のかさんにとって舞台の魅力は何ですか?

 舞台の方がけいこ期間やみんなで一緒にいる期間が長いので、本当にみんなで本番に向けて頑張っていくというのはみんなで積み上げていく感じがするし、やっぱり生なのでお客さんの反応をじかに感じられるので、けいこ中もお客さんのことを意識してやっています。舞台だとこちらからも伝えられるし、向こうからも伝わるのでそういうのを意識しています。

 −−今回の舞台の見どころは?

 踊りだったり歌だったりいろいろな要素が詰まった舞台で、内容も笑えてじんわりと感動できる作品です。女の子が多く、女の子がキラキラしています。皆さん個性的でキャラが立っているので、カラフルというか。舞台に苦手意識がある人でも気軽に見ていただけると思います。

 −−今後はどんな活動をしていきたいですか。

 自分が好きで、やりたいことが映画を見るのが好きだったり、去年初めて舞台をやらせてもらってその魅力に圧倒されたのでやっぱり日ごろ生活をしていても仕事をしているのが一番心が満たされているんですよ。逆にお休みがあると精神的に不安定になってくる。今回歌をやらせてもらったり、踊りをやらせてもらったりしてすごく楽しいですし、魅力も感じています。やっぱり軸は女優でいたいですね。

 −−映画はどんな作品に出演したいですか?

 邦画にハマって女優になりたいと思った。邦画にしか出せない味が絶対にあって、そういうのを日本だけではなく世界の人に見てもらいたいというのがあるので、(そんな)邦画に出たいです。園子温監督の作品に出られたら女優として本望だろうなあ。三木聡監督にすごく衝撃を受けたので、三木監督の作品に出るのも目標です。

 −−映画がお好きと聞きましたが。

 「ハチミツとクローバー」(高田雅博監督、06年)にハマってから(好きになりました)。キャストは蒼井優さんはじめみんなそうそうたるメンバーだったので、「日本の俳優さん、女優さんってスゲー」って思って(笑い)。それがきっかけで蒼井優さんの作品を見あさって、三木監督にハマって、好きな女優さん、監督さんが増えて気がついたら“オタク”になっていました。けいこが休みの日に時間を何に使うかと思ったら映画しか頭に浮かんでこない。映画館は月に8回とか、少なくとも6回、多いときに10回くらい行っています。ほとんど1人で。1人で見たい作品と誰かと見たい作品があって、自分の中で分かれています。

 あと最近アニメにもハマっちゃって。完全にインドアまっしぐらです。マンガも好きだし、映画も好きだし、これでアニメにハマっちゃったら本当に家から出なくなっちゃうなと思ってたんですけれど、周りにアニメ好きが増えてきて影響されて「超時空要塞マクロス」を見たらハマって、今「カウボーイビバップ」っていう10年以上前のアニメを見ているんです。面白くて面白くて。けいこが終わって映画を見ようと思っても夜中になっちゃうし睡眠時間を考えると控えようとなるんだけれど、アニメだと気軽に1話だけ見るとかできるので、それに癒やされています。「カウボーイビバップ」は主役がスパイク・スピーゲルっていう男の子で声が山ちゃん(山寺宏一さん)で、超癒やされています。

 −−お父様(石橋貴明さん)とは仕事の話はするんですか?

 仕事の話になるとケンカになるのでしないです(笑い)。「何々(仕事)が決まったよ」とかは全然言わないです。今回の話もしていないです。父に報告するのはハリウッドのレッドカーペットを歩くときが初めてかなと。仕事をしている姿を見てほしいというのはあるんですけれど、怖い。まだ全然未熟だし、努力はしていますが、自分自身が人間としても女優としても一人前になってから見てもらったりしたいかな。

 −−穂のかさんにとって仕事とは何ですか?

 軸ですね、自分の。今年に入って仕事をしていなかった時期もあって、今回舞台のけいこが始まって痛感したんですけれど、ずっとお休みのときって何もしたくなくなる。映画を見に行こうという欲もなくなってくるし、遊びに行きたいというのもなくなってくるし、朝起きて「どうしよう」みたいな。逆に舞台のけいこが始まってからジムに行きたい、とか映画を見にいきたいとか友達に会いに行きたいとか、本当に人間って無い物ねだりだなって。やるべきことがないとやりたいことがなくなっちゃう。自由時間が縛られるからそこを充実させたいと思うんだなと思いました。

 舞台「似非紳士」は赤坂レッドシアターで30日から全10回公演。

 <プロフィル>

 1989年7月31日生まれ。東京都出身。女優。趣味は読書、映画鑑賞、音楽鑑賞、絵を描くことなど。特技は英会話、ジブリアニメをはじめとした好きな映画のせりふのまね。出演映画に「The Harimaya Bridge はりまや橋」(アーロン・ウールフォーク監督、09年)、「アンを探して」(宮平貴子監督、09年)など。テレビドラマなどでも幅広く活躍している。舞台出演は「カフカの『変身』」、「結婚狂想曲」に続き3作品目。初めてハマったポップカルチャーは「美少女戦士セーラームーン」。セーラームーンのコスプレをしていたとか。ほかにCLAMPの「カードキャプターさくら」、「新世紀エヴァンゲリオン」。

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