NHKは29日、来春の連続テレビ小説のヒロインに女優の堀北真希さんを起用し、戦後の東京・蒲田を舞台にした「梅ちゃん先生」を放送すると発表した。ドラマ「結婚できない男」「鬼嫁日記」などの尾崎将也さんが脚本を手がけるオリジナルストーリーで、戦後復興の熱気の中で、失敗を繰り返しながらも、一人の女性が地域に根ざした「町医者」を目指す“女性版赤ひげ物語”となる。同日行われた制作発表に登場し、患者たちに“梅ちゃん先生”と親しまれるようになる下村梅子を演じる堀北さんは「今までで一番緊張とプレッシャーを感じています。みなさんの1日が笑顔で始まるように精いっぱい演じたい。早くみんなに『梅ちゃん先生』と呼ばれるようにがんばりたいと思います」と意気込みを語った。
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ドラマは、昭和20(1945)年、終戦直後の焼け野原と化した東京・蒲田が舞台。大学病院の医師を父に持つ3人姉兄の末っ子に生まれたヒロイン・下村梅子(堀北さん)が、松子と竹夫という優秀な姉と兄を持ち、「しょせん私は松竹梅の梅よ」と自分に自信が持てないでいたが、ある”事件”をきっかけに一念発起し、医師を目指してやがて地域医療に身を投じていく。戦後復興、高度経済成長の時代を通じて、人情あふれる下町で懸命に生きる人々に寄り添いながら、その命を守るために失敗を繰り返しながらも、ひたむきに奮闘していく梅子の半生を描く、涙あり笑いありの物語。堀北さんは16歳から30代半ばまでを演じる予定で、医師役は初挑戦となる。
ヒロイン決定については「まだ誰にも言っていません」という堀北さん。NHK連続テレビ小説については「見てくださる人は毎朝見ていただけると思うので、自分の生活の一部になるようなイメージです。一番覚えているのは『ちゅらさん』ですね」と語った。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」などでも昭和の女性を印象的に演じており、「昭和のイメージが強くなるのでは?」との質問には「本当にいろいろと学ぶことは多い。昭和、戦後の日本人のパワーってすごいなって思いますし、私も昭和生まれなので、(そういったイメージは)誇りに思います」と笑顔で語っていた。
岩谷可奈子チーフプロデューサーは、「(東日本大震災で)自らも被災しながら被災地で医療活動に従事する医師や看護師らの姿を目にして、地域医療に焦点を当てたいと思った」とテーマ決定の経緯を明かし、堀北さんの起用については「昨年初挑戦した舞台も拝見したが、この細い体からパワフルなエネルギーが出てくるのを感じた。どこか昭和のにおいのする女優さんで、今回のヒロインにぴったりじゃないかと思い、お願いした」と説明した。
連続テレビ小説「梅ちゃん先生」は11月にクランクインを予定しており、放送は12年4月2日から。全156回。(毎日新聞デジタル)
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