フレデリック・バック展:ジブリが開催を熱望 2日から東京都現代美術館で

「フレデリック・バック展」のテープカットを行う(左から)フレデリック・バックさん、高畑勲監督、竹下景子さん
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「フレデリック・バック展」のテープカットを行う(左から)フレデリック・バックさん、高畑勲監督、竹下景子さん

 東京都現代美術館(東京都江東区)で2日から開催される「フレデリック・バック展」の開会式が1日、同美術館であり、カナダのアニメーション作家、フレデリック・バックさん、映画監督の高畑勲さん、女優で同展覧会の音声ガイドのナビゲーターを務める竹下景子さんが出席しテープカットを行った。87歳という高齢にもかかわらず来日したバックさんは車いすに腰掛けながら「常に学ぶことがあり、発見と驚き、また作り直すことに事欠かないこの世界を大切にしてください。皆さんを取り囲むすばらしくももろい生命が生き延び、未来の世代のために豊かに燦然(さんぜん)と再生するように」とあいさつした。同展覧会は10月2日まで。 

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 バックさんはカナダ・ケベック州在住で、人間と自然をテーマに数々の作品を世に送り出し、映画「木を植えた男」(88年)、「クラック!」(81年)でアカデミー賞短編アニメーション部門を2度受賞。スタジオジブリの高畑監督や宮崎駿監督にも大きな影響を与えており、アニメーション作家の「至宝」と言われている。

 同展覧会はスタジオジブリが企画、1920年代から現在までの約1000点の作品を展示、バックさんの半生をたどる。バックさんの作品に感銘を受け、以来バックさんとの交流を続けているという高畑さんは「ご本人がいらっしゃるなんて夢みたい。バックさんの業績を(日本に)紹介できることを熱望していた」と同展覧会の開催の喜びを語り、「東日本大震災という未曽有の災害に襲われた日本に、バックさんの作品が示唆を与えてくれるのでは」と語った。

 開会式にはバックさん、高畑監督、竹下さん、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、アトリエ・フレデリック・バックのスーゼル・バック=ドラポー副代表らが出席した。(毎日新聞デジタル)

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