注目映画紹介:「水曜日のエミリア」 ポートマンが愛に迷い人生を再生させるヒロインに

「水曜日のエミリア」の一場面 (C)2009 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS,LLC ALL RIGHTS RESERVED
1 / 1
「水曜日のエミリア」の一場面 (C)2009 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS,LLC ALL RIGHTS RESERVED

 公開中の映画「ブラック・スワン」で米アカデミー賞主演女優賞を獲得し、第1子誕生で注目を集めている女優のナタリー・ポートマンさんが製作総指揮を務め、主演したヒューマンドラマ「水曜日のエミリア」(ドン・ルース監督)が2日、公開される。ポートマンさんは、ニューヨークを舞台に愛に迷いながらも、人生を再生させていくヒロインを演じている。

あなたにオススメ

 ポートマンさんが演じるエミリアは、上司だった弁護士ジャック(スコット・コーエンさん)を妻子から略奪して結婚。ジャックと前妻との息子・ウィリアム(チャーリー・ターハン君)を、彼が泊まりに来る毎週水曜に迎えに行くのが役目だが、心を開いてくれないウィリアムに手を焼いている。自分自身が授かった娘は、生後まもなく突然死してしまい、悲しみに暮れる日々を過ごす。やがて、エミリアと家族との間には深い溝ができてしまう……という物語。

 悲しみのあまり心ない言葉を口にしてしまうエミリア、彼女の痛みを理解してやれない夫、実母が恋しい8歳の息子、家族を奪ったエミリアを憎む前妻……。登場人物は皆、我が身の可愛さに周りに目が向いておらず、おのずと関係はぎくしゃくして、ますます心がすさんでいく。そんな彼らが互いを傷つけ、痛みを負いながら、癒やされるすべを探っていく過程をルース監督は冷静に描き切った。ルース監督はベン・アフレックさんとグウィネス・パルトローさんが主演した「偶然の恋人」(00年)で脚本と監督を手がけ、「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」(08年)で脚本を担当するなどしている。

 今回、ポートマンさんにしては珍しく嫌な女を演じていて、内容は予想以上に深刻で考えさせられる。ジャックの前妻役は、人気ドラマ「フレンズ」に出演したリサ・クドローさんで、家族を奪ったエミリアに対して敵意をむき出しにし、これまた嫌な女を好演している。クドローさんはポートマンさんとともに製作に携わっている。2日からヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

映画 最新記事