注目映画紹介:「鋼の錬金術師」 人気マンガの劇場版アニメ 兄弟の冒険をオリジナルストーリーで

「鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星」のビジュアル (C)荒川弘/HAGAREN THE MOVIE 2011
1 / 1
「鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星」のビジュアル (C)荒川弘/HAGAREN THE MOVIE 2011

 シリーズ累計5000万部を発行、2度にわたりアニメ化されたマンガ「鋼の錬金術師」の劇場版アニメ「嘆きの丘(ミロス)の聖なる星」が2日、公開される。原作は、錬金術が科学のように発達した世界で、禁じられた「人体錬成」に挑んで失敗し、体を奪われたエルリック兄弟が、失った体を取り戻すために「賢者の石」を探す旅に出る……というファンタジー。劇場版は、原作ではほとんど描かれなかった軍事国家「アメストリス」の西端の街を舞台に、完全オリジナルストーリーで展開する。

ウナギノボリ

 エルリック兄弟は、刑務所から逃げ出した錬金術の使い手メルビン・ボイジャーを追って、アメストリスと大国「クレタ」の国境沿いにある、巨大な崖に囲まれた街「テーブルシティ」に向かっていた。兄弟は、乗り合わせた列車で、オオカミと人のキメラ(合成獣)、「黒コウモリ」と呼ばれる集団と遭遇。そしてジュリア・クライトンという1人の少女に出会い、この地の血塗られた歴史と、運命に翻弄(ほんろう)された人々の嘆きを知る……というストーリーだ。

 見どころは、人気作品の新たなストーリーが描かれること。映画化もされたサスペンス小説「ホワイトアウト」などの作家・真保裕一さんが脚本を手がけ、冒険活劇をベースに謎解きの構造を盛り込んだ。真保さんは、エジプトのピラミッドや「王家の谷」から着想を得たといい、最初の20分の展開の見せ方は特に知恵を絞ったという。原作者の荒川弘さんも「初めから終わりまで見る人を飽きさせない映画になっています。楽しんでください」とコメントしている。

 エルリック兄弟の声優はテレビアニメと同じで兄エドを朴ロ美さん、弟のアルを釘宮理恵さんが演じる。劇場版オリジナルのキャラクターは、ジュリア役を劇場版アニメ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」のマリ役などで知られる坂本真綾さん、メルビン役をアニメ「戦国BASARA」シリーズの片倉小十郎などを演じた森川智之さんが担当する。

 制作はテレビアニメと同じ「ボンズ」で、監督はテレビアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」で副監督を務めた村田和也さん、キャラクターデザイン・総作画監督は、劇場版アニメ「東京ゴッドファーザーズ」の小西賢一さんが手がけた。人気ロックバンド「L’Arc~en~Ciel(ラルク・アン・シエル)」の主題歌「GOOD LUCK MY WAY」にも注目だ。(毎日新聞デジタル)

アニメ 最新記事