お笑い芸人の宮川大輔さんとケンドーコバヤシさんが47都道府県を“行脚”してトークライブを行う「あんぎゃー」がこのほど、DVD化された。多忙を極める売れっ子芸人2人が、わざわざ泊まりがけで各地を巡る異例の企画にかける思いをコバヤシさんに聞いた。
あなたにオススメ
来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹” 朝ドラヒロインまで手が届くか
「あんぎゃー」は、毎月1回のペースで宮川さんとコバヤシさんが全国を巡りながらトークライブを繰り広げるプロジェクトとして、09年4月の札幌公演からスタート。ライブの前には地元の名所を訪れて、ご当地ネタも織り交ぜながらトークを展開し、各地で満員の大盛況となっている。DVDでは10年12月に行った新潟公演の模様や、2人が新潟の街を散策した様子、ライブ後の打ち上げから、特典映像として今年2月に行われたタイ、バンコク公演前のプライベート映像も収録されている。価格は3675円。
以前に宮川さんとコバヤシさんが2人でトークライブを行って意気投合。「2人で何かやりたいな」という気持ちから企画されたといい、コバヤシさんは「意外と全都道府県に行っている人って少ないと思うんですよ。初めはボクが47都道府県の各地で47人の彼女を作るっていうテーマもあったんですけど。今のところ30連敗はしてますね」と笑い飛ばした。
ライブやイベントが毎日のように開かれている東京や大阪などの大都市とは異なり、地方都市ではアーティストの全国ツアーなどはあるものの、テレビで活躍中の人気芸人が来ることは珍しく、「どこに行っても喜んでもらえるんです。プロモーションとかは関係なく、純粋にライブのためだけに行っているんですが、(もっと人気があると)勘違いしてしまいそうになるぐらい、本当に歓迎してくれるんですわ」と話す。
分刻みのスケジュールの売れっ子芸人2人だが、ライブは基本的に泊まりがけでさまざまな名所も巡る。コバヤシさんは「トークのネタにもなるし、各地の空気も感じられる」と語り、「これがあるから(多忙なスケジュールを)乗り越えられるというところがあるんです。これがなかったら、年末年始に自分が徹夜で仕事しているときに、休みを取るような売れてるやつを憎み続けるとこでしたね」という。
2人は同学年ながら、芸歴では宮川さんがコバヤシさんの先輩という間柄だ。「ボクは大輔さんに先輩として接してますけど、大輔さんはそのスタンスを嫌がるんですよね」と話すコバヤシさん。「ダウンタウン」の松本人志さん、「千原兄弟」の千原ジュニアさんをはじめ、数々の先輩とも共演しているコバヤシさんだが「そういう(対等の関係を求める)先輩は大輔さんだけ」と話し「失礼かもしれませんけど、同じ学校やったら相当仲良うなってたやろうなと思いますね。知能犯のボクと実行犯の大輔さんで数々の未解決事件も起こしてたと思いますよ」とニヤリ。後輩の追い上げについて聞くと「後輩がお笑い芸人やタレントを目指しているうちはボクの立場は安泰やと思います」と話し、「ボクはケンドーコバヤシという職業をやってますから」と不敵な笑みを見せる。
そんな2人は、4月4日に仙台市での公演を予定していたが、東日本大震災により中止。5月に宮城県の避難所を巡り、たこ焼きを焼いて配ったり、被災者や子どもたちと交流した。「見に行かな分からんことってたくさんあったんです。子どもたちもたくさん集まってくれたんですが、思った以上にみんな元気だったんです。ただ親御さんがその分大変そうにもみえたんで、半日だけでもホッとしてもらえたら。卑下するわけやないですけど、こんな安いもんで喜んでもらえるんやったらいくらでも行きますよ」と男気を見せる。中止されたライブについても「券を買うてくれたお客さんにお礼も言いたかったし、本当はライブをやりたかった。改めてちゃんと行きますんで」と話す。
「47都道府県を巡って1周したら、そのまま2周、3周と続けていきたい。死ぬまでやろうと言うてます。もうライフワークですね」と楽しそうに語るコバヤシさん。宮川さんとの“珍道中”はこれからも全国各地に笑いをふりまく。(毎日新聞デジタル)