原田芳雄さん:告別式 「作品と魂は永遠に生き続ける」 三本締めでにぎやかに送り出す

原田芳雄さんが生前愛飲していたという長野県の日本酒「夜明け前」が置かれた献花台
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原田芳雄さんが生前愛飲していたという長野県の日本酒「夜明け前」が置かれた献花台

 19日に肺炎のため、71歳で亡くなった俳優の原田芳雄さんの告別式が22日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれ、生前交流のあった中村玉緒さん、桃井かおりさん、市原悦子さん、松たか子さん、瑛太さん、永瀬正敏さんら関係者やファン1300人が参列した。屋外にはファンのための献花台が設置され、原田さんが好きだったという長野県の日本酒「夜明け前」の一升瓶が置かれ、ファンが献杯した。

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 原田さんの遺作となった主演映画「大鹿村騒動記」(阪本順治監督)で共演した石橋蓮司さんが弔辞を読み、「芳雄、お前の力と身体はまだまだ日本の映画界に必要だよ。お前が次回作にどんなことをやりたかったのか、家族に教わっておれも含めて一生懸命頑張るつもりだ。具体的になったらすぐに報告に行くから、それまでほんのちょっとだけ休んでいてくれ。芳雄、だらしなくてごめん」と遺影に呼びかけた。

 喪主で長男の原田喧太さんは「原田芳雄の肉体は終焉(しゅうえん)を迎えましたが、作品と魂は永遠に生き続けるので、これからも原田芳雄を応援よろしくお願いします」とあいさつし、会場からは大きな拍手がわいた。最後に「祭りごとが大好きな父なので、三本締めで締めたいと思います」と「原田芳雄の役者人生にお手を拝借」と呼びかけ、会場全体で三本締めをして式を締めくくった。

 原田さんは東京都出身。66年に俳優座に入団。68年に「復讐(ふくしゅう)の歌が聞える」(貞永方久、山根成之監督)で映画デビュー。70年の映画「反逆のメロディー」(沢田幸弘監督)で、ジーンズにサングラス、長髪のアウトロー役で注目を集めた。その後も、黒木和雄監督の「竜馬暗殺」や鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」など、商業的娯楽作品から芸術作品まで幅広く出演。08年に早期大腸がんの手術を受けた後も、俳優活動を続け、テレビや映画を中心に“無頼派俳優”として、存在感のある演技を見せていた。また、バラエティー番組「タモリ倶楽部」(テレビ朝日系)にもしばしば出演し、タモリさんらと鉄道の魅力について熱く語るなど大の鉄道ファンとしても知られた。03年に紫綬褒章。ブルース歌手としても活躍した。(毎日新聞デジタル) 

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