原田芳雄さん:通夜・告別式にベテランから若手まで延べ2500人 無頼派しのぶ

告別式での原田芳雄さんの出棺の様子
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告別式での原田芳雄さんの出棺の様子

 19日に肺炎のため、71歳で亡くなった俳優の原田芳雄さんの告別式が22日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれ、生前の幅広い交友関係を示すようにベテランから若手まで俳優陣や人気タレント、ファンも含め、前日の通夜と合わせて延べ2500人が弔問に訪れた。参列者らは“無頼派俳優”として映画やテレビで存在感を放った故人の人柄を口々にしのんだ。

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 通夜や告別式には、役所広司さん、佐藤浩市さん、西田敏行さん、奥田瑛二さん、石橋凌さんらベテラン俳優をはじめ、江口洋介さん、岸谷五朗さん、永瀬正敏さん、椎名桔平さん、豊原功補さん、勝村政信さんといった中堅、妻夫木聡さん、松山ケンイチさん、オダギリジョーさん、松田龍平さん、瑛太さんら若手俳優、さらに「SMAP」の木村拓哉さん、中居正広さん、香取慎吾さん、「TOKIO」の松岡昌宏さん、「嵐」の松本潤さんといった人気タレントらが駆けつけた。女優では、桃井かおりさんはじめ、中村玉緒さん、上戸彩さん、松たか子さん、岩下志麻さん、市原悦子さん、風吹ジュンさん、かたせ梨乃さん、萬田久子さん、夏木マリさん、原田美枝子さん、宮沢りえさん、夏川結衣さん、戸田菜穂さん、京野ことみさん、満島ひかりさんらが続々と弔問に訪れた。

 佐藤さんは「(原田さんは)すべての人を受け入れる、人間という関係性を大事にされてた方。芳雄さんのような生き方は無理でしょうね。どうしても自分のこと優先してしまうし、芳雄さんはそうじゃなかった。ああいう人はこれから出ないだろうな、そう思いますね」としのんだ。江口さんは「芳雄さんには『遊べ。芝居を真剣にやるな』と深い意味の言葉をもらった。僕らの中ではまだ死んでません。あの人が見せてくれた生き方をそれぞれがつなげていきます」と“役者魂”を引き継ぐ覚悟を語った。

 また、中村さんは「主人(故勝新太郎)が原田さんが大好きで、うちでよく飲んでました。男同士ですけど、好き同士でした。まだまだやりたかったことたくさんあると思います。まだこっちでやっておけばいいんじゃないか……」と急逝を惜しんだ。

 映画監督では原田さんの遺作となった主演作「大鹿村騒動記」のメガホンをとった阪本順治監督のほか、崔洋一監督、行定勲監督、大森一樹監督らも参列。告別式には、原田さんの主演映画「ツィゴイネルワイゼン」などを手がけた鈴木清順監督が車椅子に乗って会場に訪れる姿も見られた。

 原田さんは東京都出身。66年に俳優座に入団。68年に「復讐(ふくしゅう)の歌が聞える」(貞永方久、山根成之監督)で映画デビュー。70年の映画「反逆のメロディー」(沢田幸弘監督)で、ジーンズにサングラス、長髪のアウトロー役で注目を集めた。その後も、黒木和雄監督の「竜馬暗殺」や鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」など、商業的娯楽作品から芸術作品まで幅広く出演。08年に早期大腸がんの手術を受けた後も、俳優活動を続け、テレビや映画を中心に“無頼派俳優”として、存在感のある演技を見せていた。また、バラエティー番組「タモリ倶楽部」(テレビ朝日系)にもしばしば出演し、タモリさんらと鉄道の魅力について熱く語るなど大の鉄道ファンとしても知られた。03年に紫綬褒章。ブルース歌手としても活躍した。(毎日新聞デジタル)

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