石橋蓮司:大鹿村騒動記ヒットに「原田芳雄も喜んでる」と感謝

映画「大鹿村騒動記」のヒット御礼舞台あいさつに登場した(左から)松たか子さん、佐藤浩市さん、大楠道代さん、石橋蓮司さん、阪本順治監督
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映画「大鹿村騒動記」のヒット御礼舞台あいさつに登場した(左から)松たか子さん、佐藤浩市さん、大楠道代さん、石橋蓮司さん、阪本順治監督

 7月19日に肺炎のため、71歳で亡くなった俳優の原田芳雄さんの遺作となった映画「大鹿村騒動記」(阪本順治監督)のヒット御礼舞台あいさつが8日、東京都内の映画館で行われ、共演者の石橋蓮司さん、佐藤浩市さん、松たか子さん、大楠道代さんと、阪本監督が出席した。7日現在で映画の興行収入は1億5000万円、動員も15万人とヒットしており、石橋さんは「原田芳雄も大変喜んでいると思う。みなさんに感謝します」とあいさつ。大楠さんは、原田さんが劇中で使用した帽子を手に「帽子の主も今日来て、ありがとうと言っております」と語り、佐藤さんは「もっともっと多くの人数で芳雄さんを送ってあげたい」と映画のさらなるヒットを期待した。 

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  映画は、南アルプスのふもと、長野県大鹿村を舞台に、実在の“村歌舞伎”を軸とした群像劇。300年の伝統を持つ村歌舞伎の花形役者で、鹿料理のレストランを営む風祭善(原田さん)は、村歌舞伎の公演を間近に控え、準備にいそしんでいたが、ある日、けいこ場に、18年前に駆け落ちして村を去った妻・貴子(大楠道代さん)とその相手・能村治(岸部一徳さん)が現れる。貴子は、前頭葉の疾患で記憶障害に悩まされており、変わり果てた妻の姿を前に、善は治を何度も殴りつけるが、結局、貴子と治を店に住まわせることになり、奇妙な共同生活が始まって……というストーリー。原田さんが、自らテーマを持ち込み、「いつか原田さんで主演作を」と思い続けてきた阪本監督らと作り上げた作品で、石橋さんは歌舞伎保存会のメンバー・重田権三を、松さんは村役場の総務課職員・織井美江を演じており、三國連太郎さんや瑛太さんらも出演している。

 阪本監督は「本当に芳雄さんにはプライベートでもお世話になった。ぼくの意地もあって、最後にお仕事したこの作品で、今日を迎えることができた」と語り、映画の主題歌に起用されている故・忌野清志郎さんの「太陽の当たる場所」の歌詞に触れ、「最後の歌詞に『甘いキスを送ろう』という歌詞があります。みなさんで、芳雄さんに甘いキスを送ってください」と呼びかけ、原田さんをしのんだ。 

 先月19日の突然の訃報後、観客数は増え続け、7日現在で映画の興行収入は1億5000万円、動員も15万人を記録。スクリーン数も公開当初の91から170以上と大幅に増えており、公開期間も丸の内TOEI(東京都中央区)では2週間追加されている。全国各地の劇場では、銀幕で変わらぬオーラを放ち続ける原田さんの姿に、客席から自然に拍手がわき起こるという現象が起こっていたといい、この日の舞台あいさつは、原田さんをしのぶとともに、観客の温かな声援に感謝する目的で開催された。映画は全国で公開中。(毎日新聞デジタル)

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