東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれたマンガの祭典「コミックマーケット(コミケ)80」では、会場の2カ所に設けられた「コスプレ広場」で、人気マンガやアニメゲームのキャラクターにふんしたコスプレーヤーが自慢の衣装を披露している。今回から女性のバストなどに関する衣装の露出についても明確なガイドラインが設定される一方、“長もの”と呼ばれる武器やステッキなどを模した小道具の持ち込みが許可されたことで、例年以上に迫力のある姿を披露したコスプレーヤーが目立った。
ウナギノボリ
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人気を集めたのは、今年放送の新作アニメのコスプレ。特に1~3月に放送され、衝撃的なストーリー展開が大きな話題を集めたアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」や現在放送中のアニメ「タイガー&バニー」などが目立ち、時流に敏感なコスプレーヤーの心をつかんだようだ。また、変わり種では人気アイドルグループ「AKB48」の研究生という設定のCGキャラクター「江口愛実」にふんしたコスプレーヤーも登場。参加者の注目を集めていた。
これまでのコミケのコスプレでは、安全性の面から30センチを超える長さのものやボールなどの転がるものの持ち込みが禁じられていた。しかし今回から表現の幅を広げるためとして「物」の制限を可能な限り「行動」の制限に変更。分解して持ち運べることを条件に、高さは2メートル以内、幅1メートル以内の小道具や、プラスチック製の模造刀や弾やガスを抜いたモデルガンの持ち込みが許可された。また、撮影者側に対しても、今回から初めてネット配信や動画撮影に関するガイドラインが設定され、周囲に一目で撮影が分かるようにすることなど参加者に配慮した撮影が求められた。
“長もの”の持ち込みが許可されたことで、コスプレーヤーもよりスタイリッシュなポージングが可能になった。巨大な剣を持った「ファイナルファンタジー7」のザックスや、6本の刀を駆使する「六爪流」の「戦国BASARA」の伊達政宗などのゲーム系のキャラクターだけでなく、巨大なかまを持った「セーラームーン」のセーラーサターン、銃を持った「魔法少女まどか☆マギカ」の巴マミなど、さまざまなジャンルのコスプレーヤーが恩恵を受けたようだ。
コスプレタレントの綾川ゆんまおさんは「今回の規制緩和は事務局の英断だと思う。コスプレーヤーたちが工夫を凝らした小道具を持ち寄って参加するようになった。小道具のおかげでポージングにも幅が出るし、コスプレーヤー自身もより楽しめたはず。今後もより多彩なコスプレが期待できそうだ」と分析している。
「コスプレ広場」は、1階レストラン街外の庭園のほか、第2会場として、初日と2日目に西館1階の屋外展示場、3日目は西館4階の屋上展示場を開放。コスプレをするには1日当たり800円の登録料が必要で、自転車、ローラースケートなどの乗り物、浮き上がる風船などコミケ全体で持ち込みが禁じられているものに加え、ガラスや陶器など落とすと周囲に破片が飛び散るものの持ち込みが禁じられている。 (毎日新聞デジタル)
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