はじめの1巻:「ふでかげ」 「修羅の門」の外伝 原作者が長年構想を温めた青春サッカーマンガ

川原正敏さん原作、飛永宏之さんマンガの「修羅の門異伝 ふでかげ」(講談社)1巻の表紙
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川原正敏さん原作、飛永宏之さんマンガの「修羅の門異伝 ふでかげ」(講談社)1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「月刊少年マガジン」(講談社)で連載、高校サッカーを題材に川原正敏さんが原作、飛永宏之さんがマンガを手がけた「修羅の門異伝 ふでかげ」です。

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  3月、中学時代をブラジルで過ごした小早川拳将が帰国し、広島県三原市に戻ってきた。拳将はサッカーの恩師の娘で幼なじみの後藤さつかと交わしたサッカーで国立に行くという約束を果たすため、強豪サッカー部を擁する三原浮城学園の高等部に入学。サッカー特待生以外は入部できないといわれる同部の入部テストを受けることになる……という物語。川原さんのヒットマンガ「修羅の門」の外伝で、物語の冒頭には同作で主人公の陸奥九十九と死闘を繰り広げた空手の南米王者イグナシオ・ダ・シルバがサッカー選手として登場する。

 ◇編集部からのメッセージ 月刊少年マガジン編集部 山野史郎さん「直球勝負のマンガ」

 「修羅の門異伝 ふでかげ」は、「海皇紀」の連載前から川原先生が構想されていた作品です。その時は実現しませんでしたが、今回飛永宏之先生の力を得てついに日の目を見ました!

 「ふでかげ」の一番の特徴は、川原先生の「直球勝負のマンガが描きたい」という熱い思いが詰まっているところでしょうか。意外な展開よりも、読んでる方が「待ってました!」と言いたくなるようなエピソードが盛りだくさんです。もちろん、川原先生ならではの伏線や、意外な展開もあります。

 そして「修羅の門」から人気キャラクターも登場します!! 九十九と死闘を演じたイグナシオ・ダ・シルバ、その人です。果たして、この不倒の空手家がストーリーにどう絡んでくるのか、要注目です。

 作画は飛永宏之先生です。「ホワイトアウト」のマンガ版などを手掛ける実力派が、丹念に描いています。コミックスを見ていただければ納得してもらえると思いますが「とにかく似てます!!」。川原先生の世界観を壊すことなく、ばっちり再現されているので安心してお買い上げください。

 主人公・小早川拳将の「約束」。そして、とてつもない「挑戦」を心ゆくまで楽しんでいただければ幸いです。

 ◇書店員の推薦文 南海ブックス 岡本美紀さん「楽しいサッカーでどうやって勝ち抜くか」

 拳将は高校生でありながら、自分の欲しいものがはっきりしていて、目的のために努力を惜しまないし、妥協しない強い意志を持っている。夢は国立競技場で勝つこと。難関といわれるサッカー部の入部試験に合格したのに、「楽しいサッカーができないなら入部しない」という頑固とも思える一面を見せるが、高校サッカー以外で国立に立つ方法がないのか模索する柔軟さも感じさせる。どのチームも勝てるサッカーを目指している中で、楽しいサッカーにこだわり、どうやって勝ち抜いていくのか最後まで楽しみです。

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