注目映画紹介:「探偵はBARにいる」 大泉洋の二枚目半のキャラと物語がマッチ

 大泉洋さんと松田龍平さんが共演した映画「探偵はBARにいる」(橋本一監督)が10日に封切られる。札幌出身の作家・東直己さんが92年から書き続けている、札幌の歓楽街ススキノを舞台にした探偵小説シリーズの2巻目「バーにかかってきた電話」が原作。ススキノで探偵業を営む“俺”(大泉さん)のもとに、ある日、コンドウキョウコを名乗る女性から電話が入る。報酬10万円には見合わないほどの簡単な依頼に半信半疑で臨んだ探偵は、やがて相棒の高田(松田さん)とともに危険な事件に巻き込まれていく……。

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 探偵ドラマと純愛ドラマの両方の側面を持ち、全体のタッチはハードボイルド。だがそれほど硬くはなく、ほどよいお色気とコミカルさも備えている。それらが大泉さんという二枚目半のキャラクターと絶妙にマッチし、高田を演じた松田さんのぶっきらぼうさとの相性もいい。驚いたのが、ヤクザ役で登場する高嶋政伸さん。彼の怪演は、今作のもう一つの見どころだ。そのほか小雪さんや西田敏行さんら豪華キャストが出演している。

 ドラマ「相棒」などで演出を手がける橋本さんが監督を務めた。共同脚本の一人は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや「キサラギ」、ドラマ「相棒」などで知られる古沢良太さんが手がけている。古沢さんはつねづね登場人物のさばき方にそつがないと思っていたが、今回も資料にあった相関図を観賞後に見て、かなり多くの人物が手際よくさばかれていることに気づき、改めて感服した。共同脚本のもう一人、須藤泰司プロデューサーも、東さん、大泉さん同様に北海道出身者で、そのせいかせりふに北海道弁のイントネーションも含めてリアルさがある。

 10日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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