注目映画紹介:「アジョシ」 ウォンビン主演のバイオレンスアクション 拉致された隣家の娘を救出

「アジョシ」の一場面 (C)2010 CJ ENTERTAINMENT INC & UNITED PICTURES.ALL RIGHTS RESERVED
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「アジョシ」の一場面 (C)2010 CJ ENTERTAINMENT INC & UNITED PICTURES.ALL RIGHTS RESERVED

 韓国映画「アジョシ」(イ・ジョンボム監督)が17日、公開された。韓国では、昨年夏に封切られ、630万人を動員。これは韓国の7人に1人が見た計算になるという。アジョシとは「おじさん」を意味し、韓国では今作のおかげで、この言葉が持つイメージが変わったとされる。街の片隅で質屋を営むテシクに日ごろからなついていた隣家の少女ソミが、麻薬がらみで組織に拉致され、テシクはソミを助け出すために捨て身で組織に挑んでいく。

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 当初、イ監督は、さえない中年の“おやじ”を主人公に想定して脚本を書いていた。しかし、それを読んだウォンビンさんが同作に興味を示したため、役のコンセプトを変えることにしたのだという。それが功を奏した。テシクを演じるウォンビンさんにとって、ここまでのバイオレンスアクションは初めてだったが、鍛え上げられた肉体ともども、陰のある男の演技はさまになっており、結果、韓国のアカデミー賞といわれる大鐘賞で主演男優賞に輝いた。

 ウォンビンさんによるアクションが見せ場の一つだが、それ以上にテシクとソミの間に育まれる絆が、作品全体をまとめる重石となっている。エンディングも悪くない。多くを語らず、しかし大切な人を守り抜こうとするテシクの男気には、情ある者なら誰しもグッと来るはずだ。ソミ役は「冬の小鳥」(09年)での演技が絶賛されたキム・セロンさんが演じ、そのままの透明感で、奔放な母親から十分な愛情を受けられず、恵まれない生活を送る少女を好演している。今作の成功には彼女の功績も大きい。17日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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