ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、殺されたにもかかわらず、物語の続きを読むために犬に生まれ変わった本好きの少年と、何かとハサミを振り回す売れっ子作家のヒロインが繰り広げるドタバタを描いた「犬とハサミは使いよう」(更伊俊介著、鍋島テツヒロ画)です。エンターブレインファミ通文庫編集部の荒川友希子さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
主人公は、ある日強盗に殺されてしまったけれど、大好きなシリーズの最終巻を読むまでは死ねない−−という執念で、なぜか犬としてよみがえってしまった本好きの少年。ヒロインは、何かというとハサミを振り回すドSの危険人物(でも正体は大人気作家)。この人(?)が繰り広げる、「読者」と「作者」の不条理コメディーです。
かけあいの面白さや、破天荒な展開が魅力の作品ですが、何といっても、犬になってよみがえって最初に心配するのが「犬って本、読めるの!?」な主人公の春海くんに強く共感します。私も、好きな本を読んで暮らせるなら、犬になっても、まあいいかも(笑い)。
−−作品が生まれたきっかけは?
第12回えんため大賞優秀賞受賞作です。応募原稿は、魅力もあるけれど問題も多く、(ヒロインは当初29歳だったりしました(笑い))、最終選考会でも、賛否両論、結構いろんな意見が出た記憶があります。
−−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか?
作者の更伊俊介さんは、「面白いこと」がとにかく最優先な方です。2人組の作家さんで、原案と執筆、というような役割分担をしているわけでもなく、おふたりで交代で書き進めているそうです。
イラストレーターの鍋島テツヒロさんは、空間の使い方がすごく魅力的なイラストを描かれる方です。1巻のカバーの斬新なデザインは、実は鍋島さんのアイデアです。
毎回ノリノリでイラストにネタを仕込んでくださるので、ぜひイラストは細かいところまでご注目ください! また、更伊さんの方も大喜びでそのネタを拾って、次の話に反映なさったりしています。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
初稿を読むのがとても楽しみです。毎回、新鮮な驚きがあるので。2巻なんて、プロットでは「鮪喰(マグロイーター)」の「ま」の字もなかったんですよ! それがふたを開けてみるとあんなことに……(何のことかは、ぜひ「犬とハサミは使いよう2」を読んでみてください)。
イラストの方では、最初は、登場キャラが本当に少なくて……。指定が、主人公(犬)とヒロインのシーン、しかも大抵犬がヒロインにいじめられている場面、ということになってしまって、バリエーションが出せなくて悩みました(笑い)。今ではちょっとずつ登場キャラも増えてきて、にぎやかになっています。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
次の4巻は、ヒロインの夏野に焦点を当てた「作家対決」の巻になる予定です。現在、更伊先生がもりもりと執筆中です! それと、現在ドラマCDの企画が進行中です。
ドSな作家と本フェチの犬、変態の編集者、お兄ちゃん大好きだけど何か間違っている妹と、困ったキャラしかいない本作なので、そんな役を声優さんにお願いするのが申し訳ないやら楽しみやら……。年内には詳細情報が発表できるはずですので、どうか楽しみにしていてください!
エンターブレイン ファミ通文庫編集部 荒川友希子
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