三銃士:L・ラーマンとG・ワイルドに聞く 子供のころから親しんだ原作「やりがいあった」

「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」のPRのために来日したローガン・ラーマンさん(左)とガブリエラ・ワイルドさん
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「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」のPRのために来日したローガン・ラーマンさん(左)とガブリエラ・ワイルドさん

 アレクサンドル・デュマの名作を「バイオハザード」シリーズで知られるポール・W・S・アンダーソン監督が映画化し、その妻ミラ・ジョボビッチさんが二重スパイに扮(ふん)し華麗なアクションを披露する冒険活劇「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」が全国で公開中だ(3D同時公開)。今作で血気盛んなダルタニアンを演じたローガン・ラーマンさんと、王妃アンヌの侍女でダルタニアンが思いを寄せるコンスタンス役のガブリエラ・ワイルドさんがPRのため来日し、インタビューに応じた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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 「この映画は、どこを切ってもエンターテインメント。楽しんでもらえることは間違いありません。でも、あえて見どころを挙げるとするなら、それは、飛行船同士の空中戦。この作品を新しい三銃士にしているのは、その部分だから」とアピールするのは、若き銃士ダルタニアンを演じたラーマンさんだ。すると、隣に座った王妃の侍女コンスタンス役のワイルドさんからも「飛行船、たまらないわ。本当に、老若男女、誰が見ても絶対面白いというポイントが盛りだくさん」と賛同の声が上がった。

 映画「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」の舞台は17世紀フランス。ルイ13世(フレディ・フォックスさん)の妃アンヌ(ジュノー・テンプルさん)の首飾りが、権力を狙うリシュリュー枢機卿(クリストフ・バルツさん)のたくらみによって盗まれる。その首飾りを取り戻そうと英国に向かうダルタニアンと、アトス(マシュー・マクファデインさん)、ポルトス(レイ・スティーブンソンさん)、アラミス(ルーク・エバンスさん)の“三銃士”の活躍が、迫力の映像とともに描かれていく。「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのオーランド・ブルームさんが初の悪役に挑戦したのも見どころの一つだ。

 ラーマンさんとワイルドさんにとって、デュマによる「三銃士」は「大好きな作品の一つ」(ラーマンさん)であり、「学校で読んだ、一つのアイコンといえるもの」(ワイルドさん)だった。とりわけ、物心ついたときに祖父から「三銃士」の映画を見せられ、彼らにあこがれ、「剣を持って走り回っているような子供だった」というローガンさんにとっては、今作でのダルタニアン役は、まさに「夢がかなったようなもの」だった。ただ、役作りの一環として過去の作品を見直しはしたが、あくまでも「自分なりのダルタニアンを作り上げていった」と話す。「自分なりのダルタニアン」……実は、ラーマンさんは撮影当時18歳。「三銃士」の映画化はこれまで数あれど、原作でのダルタニアンと同じ年齢の俳優が演じるのは、今作が初めてなのだ。その上でラーマンさんは「ダルタニアンは小生意気で、衝動的な半面、ナイーブな面もある。演じる立場としてはやりがいがありました」と振り返る。

 前作「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」(10年)でも剣術などのアクションに挑んだ。だが今回は「フェンシングを習う必要があったし、スタントも、より複雑」で、多少「ナーバスになった」と打ち明ける。それでも前作での経験は、共演場面がほとんどなく、「カメラが回っていないところではとても親切だった」というジョボビッチさんの存在が「精神的な支えになった」ことはいうまでもない。

 一方、これまで出演作は現代劇に限られていたワイルドさんにとって、今作は初の時代劇。撮影は、主にドイツで行われ、「当時の人たちが住んでいたであろう建物に足を踏み入れたときの感覚や精緻なインテリアデザインなど、すべてが役に入る助けになってくれた」と指摘する。さらに、中世の時代のドレスや体を締め上げるコルセットなどは、それをまとうことで「立ち姿や身のこなしがすべて変わってくる」「男性優位で女性が抑圧されていた当時の男女関係までをも思い起こさせ、とても興味深かった」と感慨深げに語った。

 米ロサンゼルスで生まれ育ったローガンさんは、4歳でCMに出演して以来、かれこれ15年の芸歴があるが、俳優としてやっていこうと決心したのは「13歳くらいのころ、テレビの仕事をしたとき」だという。対するワイルドさんは「姉2人が芝居をやっていて、私自身は画家志望でした」と明かす。それが「これといったきっかけのないまま、女優になろうと突然思い立った」のが2年半前。まさに、今作はグッドタイミングだったわけだが、これを機に2人のキャリアにさらに弾みがつくことは間違いない。今後の抱負を聞くと、ラーマンさんは「デビッド・フィンチャー監督、コーエン兄弟、スパイク・ジョーンズ監督が大好きなので、彼らと仕事ができたら夢のよう」とほおを赤らめ、ワイルドさんは「型にはまるのではなく、とにかくいろんな役に挑戦したい」と笑顔で答えた。これからの2人の活躍を見守る上でも、この「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」は、ハズせない作品だ。

 <ローガン・ラーマンさんのプロフィル>

 1992年米ロサンゼルス出身。4歳でCMに出演し、8歳のころ、映画デビュー作「パトリオット」(00年)でメル・ギブソンさんと共演。その後、「ハート・オブ・ウーマン」(00年)、「バタフライ・エフェクト」(04年)などに出演。07年の「3時10分、決断のとき」での演技がクリス・コロンバス監督の目にとまり、10年に「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」で主役に抜てきされる。その他の出演作に「サンキュー、ボーイズ」(01年)、テレビシリーズ「Jack & Bobby」(04~05年)などがある。エマ・ワトソンさんと共演した「The Perks of Being a Wallflower」が12年公開予定。

 <ガブリエラ・ワイルドさんのプロフィル>

 1989年英国出身。「St Trinian’s 2: The Legend of Fritton’s Gold」(09年)で映画デビュー。その他の作品にテレビシリーズ「Dr.Who」(10年)でのゲスト出演がある。

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