ゲーム制作に込めた開発者の思いを聞く「ゲーム質問状」。今回は、南海の孤島を舞台に「魔女」との推理合戦が繰り広げられるノベルゲーム「うみねこのなく頃にポータブル」シリーズ(PSP)です。アルケミストの中川滋プロデューサーに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−ゲームの特徴と、セールスポイントは?
本作は、小説を読むかのように楽しむノベルゲームです。台風に閉ざされた孤島の洋館で次々に起こる殺人事件を追う、という王道ミステリーが、途中から見え隠れする「魔女」の存在、人間には到底できそうにない殺人の数々に、物語は次第に幻想(ファンタジー)に侵食されていきます……。作中に選択肢がなく、プレーヤーのとらえ方次第でミステリーにもファンタジーにもなりえる面白い作品です。全8エピソードのうち、「ポータブル1」「ポータブル2」で二つずつ(計四つ)のエピソードをお楽しみいただけます。
−−PSP版開発の経緯は?
元々、PSP版の制作は全く予定しておりませんでしたが、昨年12月のPS3「うみねこのなく頃に~魔女と推理の輪舞曲~」の発売後に、販売店様や熱心なうみねこファンの皆様から「手軽に楽しめるPSP版がほしい」というご意見を多くいただいたのがきっかけです。ただ、手軽さだけを追求したPS3版の劣化バージョンを発売してしまっては本末転倒なので、フルボイスは可能か、などの検証をするのに時間を要してしまいました。ユーザーの皆様には少々お待たせしてしまいましたが、結果的には満足のいく品質に仕上げることができたと思います!
−−今だから笑って明かせるけれど、開発当時は大変だったエピソードをお願いします。
UMD1枚に何エピソードが入るのか、それをどのような販売形態にするか、など前述の検証が一番大変でした。特にフルボイスは必須項目と位置づけていたので、うまく収めることができてうれしく存じます。
あとは、パッケージデザインに苦心しました。キャラクターを真っ二つにして使用するのは意外と勇気のいることなのですが(笑い)、そのおかげで人間と魔女の推理合戦という、ゲーム内の対立構図をキャッチーに表現できました。個人的にもお気に入りです。
−−ファンへ一言お願いします。
本作は、うみねこファンの皆様のおかげで発売する機会を得た商品です。声を上げて弊社にアピールしてくれたすべての方に感謝します。そして、続巻は鋭意制作中です。発売は来春になりそうなので、1、2巻はできるだけゆっくり遊んでいただけるとうれしいです(笑い)。
アルケミスト プロデューサー 中川滋
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