マンガ質問状:「あっちこっち」 ホームページから作者をスカウト アニメ化も決定

 話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、“ツンデレ娘”と、いまいち愛想のない少年の日々を描いた異識さんのラブコメ4コママンガ「あっちこっち」です。「まんがタイムきらら」(芳文社)編集部の路川亜希子さんに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 −−この作品の魅力は?

 主人公・御庭(みにわ)つみきと、彼女が思いを寄せる音無伊御(おとなし・いお)。自分の気持ちを素直に伝えられないつみきと、朴念仁過ぎて彼女の思いに気づけない伊御の、くっつきそうでくっつかない、友達以上恋人未満の関係をメーンに、2人の友人である姫、真宵(まよい)、榊(さかき)たちと繰り広げる日常を描いた4コママンガです。

 基本、声高に感情を表現することのないつみきだけれど、伊御と二人きりになったり優しい言葉をかけられたりすると、思わず“ハナヂ&ネコ耳モード”を“発動”させるんですが、行動が口ほどに物を言っても、朴念仁の伊御はつみきの気持ちに全く気づかず……。二人のやりとりは、読むと思わず「あーもう!」と床をゴロゴロ転げまわりたくなること必至です!

 もちろん4コマならではの魅力である、テンポの良さで読ませるネタも充実しています。友人たちと遊んだり出かけたりとイベントがメーンの回は、そのノリの良さと独特のセリフ回しで、彼女たちと一緒に楽しんでいるような気持ちになれること請け合いです! オチに向かって畳み掛けるような言葉の掛け合いに“ハマる”読者さんも多いです。

 −−作品が生まれたきっかけは?

 初代担当がホームページを見て、作品を作ってみないかと声を掛けさせていただいたのがきっかけです。実は当時、先生ご自身も4コマを執筆してみようかと考えていた時期だったとのことで、トントン拍子に話が進み、3回連続のゲスト掲載を経て本格的な連載がスタートしました。

 −−編集者として作品を担当するうえでうれしいこと、逆に大変だったエピソードを教えてください。

 うれしいことは、ありきたりですが面白いネームを読ませていただいた時、原稿をいただいて「可愛い!」と思った時、読者の方から好意的な反応をいただいた時です。特にネームを読んでいて思わず噴き出した時は、本当に担当をさせてもらって良かったなー、と思います。

 大変なのはこちらもありきたりですが、いつもギリギリまで原稿を頑張っていただいているので、原稿を印刷所に渡すまでの時間がかなりタイトになるため、写植の張り込みに間違いがないか、チェックに見落としがないかでヒヤヒヤすることでしょうか。毎度、怒濤(どとう)のごとくという言葉はこの時のためにあるな、と実感します……。

−−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 テレビアニメ化も決定し、これからますますパワーアップする“あっちこっちワールド”にご期待ください。アニメ情報については、掲載誌である「まんがタイムきらら」にて順次公開していきますので、こちらもお楽しみに!

 「まんがタイムきらら」編集部 路川亜希子

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