TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている松尾さんに、11年の年間ランキング(11年1月1日~12月20日)をもとに、今年のゲーム市場を振り返ってもらった。
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11年のトップは話題のアクションRPG「ファイナルファンタジー 零式」(PSP、スクウェア・エニックス)でした。想定通りの好調な売れ行きでしたが、もし次回作の予定があるのであれば、10代のユーザーをもっと取り込むとさらに大ブレークすると分析しています。2位は、10年末からずっと売れてきた「モンスターハンターポータブル3rd」(同、カプコン)。9月にベスト版が発売されましたが、そこでさらにPSP本体の売り上げもけん引しました。3位は「ファイナルファンタジー13−2」(PS3、スクウェア・エニックス)。1週間足らずの集計期間でこの順位はさすがですね。
11年を振り返ってみると、新型携帯ゲーム機の「ニンテンドー3DS」、「プレイステーション ヴィータ(PSVita)」が発売されたこともあり、ハード部門は好調だったものの、ソフト部門にフォーカスすると厳しかった1年でした。3月の東日本大震災の影響も強く、発売が延期されたタイトルがあったこともそれに拍車をかけたといえるでしょう。また、PS3タイトルがトップ10中に5タイトル入るなど、携帯ゲーム機に押されてきた据え置き機が復権してきたともいえる年でした。
一方、年末商戦のキーとなったのは間違いなく3DSでした。「スーパーマリオ3Dランド」(任天堂)、「マリオカート7」(同)、「モンスターハンター3G」(カプコン)の“3枚看板”の効果は絶大で、TSUTAYAの12月の記録としても、これまでで最も台数を売ったゲーム機になっており、まさに今年を象徴するハードになったのではないでしょうか。ただ、きっかけは6月に発売された「ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D」(任天堂)でした。本体と同時購入するユーザーがかなり多く、従来のタイトルの2~3倍のお客さんが本体と同時購入する状態が相当長期間続きました。特にタレントの中川翔子さんが出演したテレビCMの放送後は、それまでなかった女性ユーザーの取り込みにも成功。本体の1万円値下げも女性や子供たちへ強いインパクトを与えました。
年末に発売されたPSVitaですが、当初の予想より20代前半のユーザーが多かったのが驚きでした。ゲームを遊ぶことの多い20代のユーザーを早々に取り込めたのは好材料で、今後のソフトの売り上げにもいい影響を与えてくれるでしょう。また、メモリーカードや画面保護フィルムだけでなく、ポーチや本体ケースといったサプライが売れてくれているのも店舗としてはうれしいですね。12年の売り上げの中でも大きな位置を占めてくれると期待しています。12年は、ラインアップが成熟してきた3DSを中心に、PS3や拡大期に入るPSVitaも市場を支え、11年と同程度の盛り上がりが期待できそうです。
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