ウクレレの歴史と魅力にスポットを当てたドキュメンタリー作「マイティ・ウクレレ」(トニー・コールマン監督)が公開中だ。世界中の愛好者たちの様子と、プロのウクレレ奏者が登場し、多様なサウンドが楽しめる。ウクレレの奥深さが感じられる1作だ。
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いま世界中で親しまれているウクレレは、1800年代後半、ポルトガル移民によってハワイにもたらされた。王の目にとまって宮廷音楽に取り入れられ、戦前はニューヨークでも流行。しかしロックの登場で流行はエレキギターに移った。時代から取り残されたように見えたウクレレだったが、最近では、ヒップホップや現代音楽の場で使われ、世界中に愛好家がいる。ウクレレは世界をつなげている!
冒頭からジェイク・シマブクロさんの演奏に感動していると、世界中の愛好家たちの幸せそうな笑顔が登場する。今作のよさは、世界的な演奏家と一般人が並列に出てくるところだ。ウクレレは垣根を越えて、人と人をつなげている。見ているだけで幸せな気分になってくる。
コールマン監督はカナダ・トロント出身。ウクレレの歴史をひもときながら、なぜ今、世界中で愛されているかに迫っている。実に多くのアーティストが登場するが、中でも現在103歳のウクレレおじいちゃん、ビル・タピアさんのインタビューと演奏はとくに感動的で、なんとウクレレ創始者から楽器を買ったという逸話も紹介される。09年には初来日し公演もしているタピアさん。この人を主役にもう1本映画が作れそうだ。シネマライズ(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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