女優の剛力彩芽さんが7日、東京都内で行われた映画「カルテット!」(三村順一監督)の初日舞台あいさつに登場した。ステージから、ほぼ満員(580人)の観客を見渡した剛力さんは、あいさつの途中で思わず感涙。東日本大震災による液状化の被害を受けた千葉県浦安市が舞台となった同作の撮影では多くの迷いがあったといい、「この作品で私が何か少しでも何かの力になって、支えられたらいいなと思いました。でも改めて皆さんの顔を見ると、私が逆に皆さんに支えられてここまで来られたと思う。たくさんの人々に見ていただけたら」と、時折声を詰まらせながら呼び掛けた。
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剛力さんは「(舞台となった浦安での)先行上映の舞台あいさつでも泣いちゃったんですけれど、今日はまた新たなスタートと思って、泣いちゃいましたね。皆さんの温かいまなざしに、すごく支えられて生きているな、温かいなと思って泣いちゃいました」とはにかんだ。
三村監督は「クランクインの直前に震災があり、撮影は黙とうから始まったことを記憶しています」と撮影を振り返り、「もう一度撮影場所を探し直さなければいけないという変則的なスケジュールで苦労をかけた。あの環境の中でよく頑張ってくれた」と出演者やスタッフをねぎらった。柳内光子エグゼクティブプロデューサーは、映画が世界93カ国で紹介されることになったことを報告し、「すごいことになるかもしれない。日本人の本当の本質が出ている、家族がこれが日本の姿、東北の震災を乗り越えるだろうと世界に思わせてくれる作品」と自信を見せた。
「カルテット!」は、俳優の高杉真宙さん演じる、将来を有望視されたバイオリンの才能を持つ少年・永江開が主人公。永江家は、音大出身の両親、高校生の姉というクラシックを演奏する音楽一家だったが、両親は生活のために音楽をあきらめ、姉は才能のある弟にコンプレックスを持ち、すっかりドロップアウト気味。さらに父親がリストラされ、家族の気持ちはバラバラとなり、一家は崩壊寸前に。「みんなで笑い合っていたあのころに戻りたい!」と願った開は、家族カルテットを結成すべく奮闘するが……という音楽を通じて家族が再生していく様子を描いた作品。母親役を鶴田真由さん、父親役を細川茂樹さんが演じ、剛力さんは姉の美咲役を演じているほか、由紀さおりさん、田中美里さん、東幹久さん、上條恒彦さんら豪華キャストが出演している。(毎日新聞デジタル)
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