沢尻エリカ:5年ぶり銀幕復帰「ひと肌脱ぎます!」 蜷川実花“歓声と罵声”で出演オファー

映画「ヘルタースケルター」で5年ぶりにスクリーン復帰を果たす沢尻エリカさん(右)と監督第2作を手がける蜷川実花さん
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映画「ヘルタースケルター」で5年ぶりにスクリーン復帰を果たす沢尻エリカさん(右)と監督第2作を手がける蜷川実花さん

 女優の沢尻エリカさんが、岡崎京子さんの人気コミックを映画化する「ヘルタースケルター」(蜷川実花監督、7月14日公開)に主演することになり、約5年ぶりにスクリーンに復帰することが11日、明らかになった。昨年11月には約4年半ぶりに携帯ドラマで女優復帰を発表していた沢尻さんだが、映画に出演するのは、「別に」発言が物議をかもした主演映画「クローズド・ノート」(07年9月公開)以来。今作で演じるのは、究極の美貌とスタイルを手に入れながら、次々と事件を巻き起こしていくトップスター・りりこ役。蜷川監督は「歓声と罵声を浴び続けた沢尻エリカ以外、考えられない」と出演をオファーしたといい、これを快諾した沢尻さんは「気合は十分です。沢尻、女優として、ひと肌脱ぎます」と意気込んでいる。

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 「ヘルタースケルター」は、岡崎さんが手がけた伝説的な人気コミックで、03年に単行本化(祥伝社フィールコミックス)され、翌年には第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞も受賞。全身を作り変えるほどの整形手術を受けた主人公りりこが、究極の美貌とスタイルで芸能界に君臨するトップモデルになるが、やがて手術の後遺症が悪化、体が崩壊に向かっていく中、りりこは周囲の人間を巻き込みながら次々と事件を巻き起こし……という物語。

 映画は、世界的なフォトグラファーでもある蜷川さんが、実現までに約7年の歳月を要しながら「絶対に映画化したい」との思いをかなえたといい、安野モヨコさんの人気コミックを映画化した初監督作「さくらん」(07年公開)以来の監督第2作となる。主人公・りりこ(本名・比留駒春子)を演じる沢尻さんのほか、大森南朋さん、寺島しのぶさん、水原希子さん、新井浩文さん、鈴木杏さん、寺島進さん、哀川翔さん、窪塚洋介さん、原田美枝子さん、桃井かおりさんと豪華で個性あふれるキャストが集まった。

 沢尻さんは「この作品に衝撃をうけて、とにかく面白いりりこをやってみたいと長い間願ってきました。りりこは、『この作品はきっと私にあう』と周囲が言うほど演(や)りがいのある役なので、実花ワールドにどう染めてもらえるか、今から楽しみです。豪華なキャストの方との共演、そして本当に一流のスタッフが集結する作品なので、現場でクリエートしながら、ぶつかっていきたいなと思っています。気合は十分です。沢尻、女優として、ひと肌脱ぎます」とコメントしている。

 「さくらん」以前から今作の映画化を望んでいたという蜷川監督は「7、8年待ち続けました、岡崎京子さんの大ファンです。こんなに自分の人生で何かを待ったことはなく、今これからクランクインできることにとても興奮しています」と喜びを語っており、「東京という街に消費されていく、人々の欲望処理装置としてのりりこ。女性の持つ驚くほどのかよわさと、ずうずうしいほどのたくましさを持つこの主人公を演じられるのは、歓声と罵声をあび続けた沢尻エリカ以外、今のこの東京では考えられません」と断言。「本当に最高のキャストと最高のスタッフが集まりました。皆で共犯関係をつくり、私たちにしかできない映画にしたいと思っています。駆け抜けます」と熱く語っている。

 原作者の岡崎さんは、96年に交通事故に遭い、現在はリハビリに励んでおり、事故以来執筆活動は行っておらず、弟の忠さんによると岡崎さんは「新しい作品が描けない今、自分の作品に新たな命が吹き込まれることに興味がある。原作に忠実に行うのも、演者の体内を通してどのように変貌するのかも、受け入れる準備はできている。新たな解釈での新たなりりこを見てもみたい」と作品を通じてりりこがどう演じられるのかに大変興味を示しているという。

 映画「ヘルタースケルター」は、アスミック・エース配給で7月14日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)など全国でロードショー予定。(毎日新聞デジタル)

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