はじめの1巻:「たべるダケ」 謎に包まれたヒロインが“食べるだけ” その表情に編集者も胸キュン

高田サンコさんのマンガ「たべるダケ」(小学館)1巻の表紙
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高田サンコさんのマンガ「たべるダケ」(小学館)1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「月刊!スピリッツ」(小学館)で連載、謎の女性が一心不乱に食事をする姿を描いた高田サンコさんのマンガ「たべるダケ」です。

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 就職活動中の男性の前に突然現れた女性。彼女は空腹らしく大きな音で腹が鳴っていた。仕方なく連れ立って食事をする場所を探していると、女性は汚い定食店へ入っていく。並んでスタミナ丼を食べはじめると、彼女は一心不乱に、そして見たこともないほどおいしそうにどんぶりを平らげる……というエピソードをはじめ、名前すらも分からない謎のヒロインが、さまざまな人と食事をする計10本の短編を収録している。

 ◇編集部からのメッセージ ビッグコミックスピリッツ編集部 生川遥さん 「ヒロインの“食べ顔”にキュン!」

 おいしいものを誰かと食べること。その誰かが、キュートな女の子だったら、それだけで人生ちょっと前向きになれたりしちゃうかも……? そんな瞬間を切り取った短編が全10本収録されている話題の“異「食」コミック”が、ついに単行本になりました!

 実は本作は小学館では異例の、担当者が3人つくという体制で制作しています。あれは3年ほど前(多分)、……まだ掲載経験もない新人作家だった高田サンコさん。元栄養士ということもあり、食べることにままならぬ執着を見せる彼女の描く女の子の“食べ顔”にピーンときちゃった担当者たちが「とにかく女の子が食べる姿を見るだけで幸せになるような物語を作ろう!」ということで結託。その後、新人コミック大賞を受賞し、そのまま連載にこぎ着ける運びとなりました。

 毎号原稿があがるたび、ヒロインの“食べ顔”にキュン!としてしまいます。細かいユーモアのセンスも抜群。描く線からもポジティブなエネルギーがあふれていて、「アイアムアヒーロー」の花沢健吾氏をして「うまい!」と言わしめる画力の持ち主です。

 読めばヨダレと元気の出る作品。一人でも多くの方にヒロインの食べっぷりを一緒に堪能していただきたいです!!

 ◇書店員の推薦文 恵文社バンビオ店 宮川元良さん 「ヒロインの表情で幸せに」

 タイトルどおり食べるだけ! ただ、食べるだけ……、なのになぜこのマンガに魅入られてしまうのか。それは間違いなく、このマンガの主人公、謎の女子の魅力にあるのです! 「あーん」とお口を開けた時の恍惚(こうこつ)とした表情! 味わっている時の笑顔! おなかをすかせて接近してくるずうずうしさ! 食べたらすぐに帰っちゃうクールなところ! まれに見せる気遣い! 実在したら間違いなくおごってますよ! そんな彼女のこの先も気になりますが、謎のままでもいいかなって思います。食べているときの、表情さえ拝めれば、もうそれだけで幸せがもらえます。

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