注目映画紹介:「しあわせのパン」 北海道の夫妻が営むカフェとそこを訪れ癒やされる人々

映画「しあわせのパン」の一場面 (C)2011「しあわせのパン」製作委員会
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映画「しあわせのパン」の一場面 (C)2011「しあわせのパン」製作委員会

 北海道にあるカフェを舞台に、原田知世さんと大泉洋さんが夫婦役を演じるヒューマンファンタジー「しあわせのパン」(三島有紀子監督)が28日に全国で公開された。北海道の南西に位置する月浦という町で、カフェ「マーニ」を営む水縞夫妻。彼らは東京で暮らしていたが、妻りえ(原田さん)が都会暮らしに疲れたことから、夫・尚(大泉さん)と2人、この地に移り住んだという設定。そのマーニを、それぞれの事情を抱える人々が訪れる。彼らが水縞夫妻のもてなしとマーニのパンによって癒やされていく様子を、四季折々の風景とともに柔らかく描いていく。

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 水縞夫妻が主人公だが、その一方で、マーニを訪れる遠方からの客や地元客に寄り添う存在でもある。そのさりげなさが、演じる原田さんと大泉さんになじんでいる。また、“夏の客”の平岡祐太さんと森カンナさん、“秋の客”の光石研さんと八木優希さん、“冬の客”の渡辺美佐子さんと中村嘉葎雄さん。そして、地元の客として余貴美子さんやあがた森魚さんなど、若手からベテランまでが、実に味わい深い演技を見せる。

 監督と脚本は、NHKで数多くのドキュメンタリーを手掛け、今作が初の長編劇映画という三島監督が手がけた。木の香りがする家、コットンの肌触りの洋服、天然酵母の限りなくシンプルなパン。そのパンも、決してナイフで切るのではなく“手で割る”。そんな素朴さが、見る人の心をほっこりと緩ませる。28日から渋谷シネクイント(東京都渋谷区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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