栗山千明:“カッコいい”女性騎士役にあこがれも「全然似てない」 長編アニメで声優初主演

「ドラゴンエイジ−ブラッドメイジの聖戦−」で主人公の声を担当した栗山千明さん
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「ドラゴンエイジ−ブラッドメイジの聖戦−」で主人公の声を担当した栗山千明さん

 女優の栗山千明さんが長編アニメ作品で初の主役の声優に挑戦した「ドラゴンエイジ−ブラッドメイジの聖戦−」(曽利文彦監督)が11日に公開される。主人公の女性騎士・カサンドラの声を担当した栗山さんは、「カッコいいなというのが第一印象。自分の意志で強く生きていながら、人間味があるところにあこがれます」と目を輝かせる。栗山さんといえば“クールビューティー”なイメージがあるが、自身と役とは「全然似ていない。共通点はないですね」とキッパリ。曽利監督も「栗山さんはクールなイメージがあったので、役にぴったりだと思っていましたが、実際にお会いしてみるととてもチャーミングで魅力的な方」と語り、そのギャップに驚いたようだ。そんな栗山さんに、女優業と声優との違いやアフレコ時のエピソードなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 同作は、09年に発売され、全世界で600万本以上を売り上げたRPGの傑作「Dragon Age」をCGアニメで映画化。世界を統治するチャントリー(教会)に仕える優秀な騎士・カサンドラ(栗山さん)は、ある夜、牢屋から連れ出された少女が、チャントリーを巡る大きな陰謀の鍵となっていることを知ってしまい、邪悪な魔法使い「ブラッドメイジ」の集団に襲撃されてしまう。師匠のバイロンが犠牲になったお陰でカサンドラは命を取り留めたが、首謀者の正体は分からぬまま。逆に陰謀の関係者に仕立て上げられ、ナイトコマンダー(GACKTさん)率いる騎士団から追われる身となってしまう。途中で出会った気のいい魔法使いのガリアン(谷原章介さん)とともに逃げることになるが……という物語が展開する。

 オファーされたとき、栗山さんは「これまで声優経験があまりなかったのでプレッシャーだった」と明かしたが、「もともとアニメーションが大好きで、声優をやらせていただくというのは光栄。『ドラゴンエイジ』は作品自体に人間味があふれていて、実写のお芝居のような感覚で取り組めるところがあった」と振り返る。

 原作ゲームの特徴である“血生ぐささを肌で感じるほど”の壮絶な描写は、映画でも忠実に再現された。映画「ピンポン」「あしたのジョー」などを手がけた曽利監督はアクションに最もこだわったといい、10分に1回はバトルシーンが登場する。バトルシーンの息遣いについて聞くと、「ブースの中で小さく体を動かして、声を入れました。だんだん楽しくなって、言われていないところにも息遣いを入れたりして、それほど苦労しなかったですね」と体を使ってアフレコした様子。

 共演者の中で一番最初にアフレコを行ったという栗山さんは、他のせりふがすべて英語でせりふがいつ終わるのか分からなかったことから、事前準備は「せりふ出しの秒数やブレスの位置を台本に書き込んだくらいでした」と明かす。一番の苦労は、「尺に合わせること」だったそうで、自宅では「ブラッドメイジ」などの言い慣れないせりふをきちんと言えるように何度も練習したという。

 米映画「キルビル」をはじめ、昨年放送の連続ドラマ「秘密諜報員 エリカ」(読売テレビ・日本テレビ系)では初主演を務めるなど、女優として活躍する栗山さん。声優との違いについて、「普段のお芝居のときは自分で間を取って、言いたいタイミングでせりふを言えます。たとえば、イスに座るときに自然に『ふぅ』って息が出たりして、考えなくてもいい部分があるんです。でも声優だと、絵を見てタイミングを合わせて自分がそうしてるように意識して声を作らないといけないんです」と分析。

 絵に合わせて泣かなければいけないなど感情的でありながら、せりふの間やスピードを自身で作ることができないというアフレコ。「今後また挑戦したい?」と聞くと、「オファーをいただけるのであれば、またチャレンジしたいですね」と次回作への意欲を示した。インタビューの前日に初めて作品を通しで見たという栗山さんは「本当にあっという間に見終わりました」といい、「注目してほしいシーンがこれまで思っていたものと変わって、ラストシーンになりました。主人公の気持ちを思うと、自分でも感動したくらい。ぜひ注目してほしいですね」とアピールした。映画は11日から全国で公開。(毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 1984年10月10日生まれ、A型。「ニコラ」などのティーン誌のモデルとして活躍。99年に、「第1回ミス東京ウォーカー」を受賞し、映画「死国」で女優デビューを果たす。00年に出演した映画「バトル・ロワイアル」での演技がクエンティン・タランティーノ監督の目にとまり、03年に「キル・ビル Vol.1」に出演。同作のユマ・サーマンさんとの戦闘シーンがMTVの「ムービーアワード2004」で「ベストファイト賞」を受賞した。04年、「下弦の月~ラスト・クォーター」で映画初主演。05年、モデルとして資生堂「マキアージュ」の広告に起用され、10年にOVA「機動戦士ガンダムUC episode1」の主題歌となった「流星のナミダ」で歌手デビューを果たすなど、幅広く活躍している。

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