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逆転裁判:三池崇史監督に聞く(2) 原作ものは「とにかくまねをすること」 キャラ描写と配役語る

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最新作「逆転裁判」について語った三池崇史監督

 人気法廷ゲームを映画化した「逆転裁判」がまもなく封切られる。成宮寛貴さん演じる新米弁護士、成歩堂龍一(なるほどう・りゅういち)が、斎藤工さん演じる天才検事、御剣怜侍(みつるぎ・れいじ)の弁護をめぐって法廷バトルを繰り広げる。成歩堂の助手で霊媒師の綾里真宵(あやさと・まよい)を桐谷美玲さんが演じた。メガホンをとった三池崇史監督に、キャラクター造形や出演者について語ってもらった。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 映画製作者が原作ものを手掛けるとき、原作に限りなく近づこうとするのは当然のことだ。しかしその半面、オリジナルの一部を、あえて変えてみようという冒険心が頭をもたげる。ではどう変えるか。その出発点は、「とにかくまねをすることだ」と三池監督はいう。

 今作の場合、三池監督はヘアスタイルをまねることから入った。例えば、成宮さん演じる成歩堂の額は、富士額を複雑にしたような形だ。「地毛でやってみるとちょっと違う。そることはできないので、じゃあかつらか、と」。だから、今作の登場人物のほとんどはかつらだ。「かつらじゃないのは、柄本明さん演じるひげをつけた裁判長と、(糸鋸=いとのこぎり刑事役の)大東(駿介さん)くらい。大東は予算の都合で地毛。というのは冗談(笑い)。彼は、キャラクター的にこれでイケるだろうと判断しました」と明かす。

 こうして、ほとんどの俳優がかつらをつけての演技となったわけだが、それぞれの俳優について聞いてみると、初めて一緒に仕事をした成宮さんについては「舞台もきちんとやれるし、いわゆるプロの俳優。幅が随分広い。演じることが好きで、むしろ歌舞伎役者の雰囲気に近いと思った」と評する。その対極にあるのが、「自分の本能と感性で演じている(笑い)」という、成歩堂の幼なじみ矢張政志(やはり・まさし)役の中尾明慶さん。

 そして、最近一緒の仕事が続いているという斎藤さんについては、「ひとことでいうと天然」と表現した。また、桐谷さんについては、「個人的に大ファン。完璧としかいいようがない(笑い)」とした上で、「可愛いだけじゃない。演技もうまい。でも、素の彼女はもっと魅力的です」とベタ褒めしていた。

 このように、オリジナルに似せようと作り上げたキャラクターだが、二つだけ「コスチューム的に冒険した」ものがある。一つは小日向文世さん演じる、事件の目撃者、灰根高太郎(はいね・こうたろう)のペットでオウムのサユリさんと、フリーの雑誌記者の小中大(こなか・まさる)だ。

 サユリさんは、一堂に集められた30羽ほどのオウムの中から、キバタンという種類の白いオウムが選ばれた。「原作のサユリさんは、緑色や黄色が混ざった総天然色のオウムなんです。ゲームを知る人には、大きさも何もかも違いますから違和感があるかもしれません」と三池監督はいう。原作通りのオウムも集めたが、「やっぱり気性が荒いんです。その点、キバタンは、色も含めて優しい」。最初は色を塗ることも考えたそうだが、結局、白のままでいくことにしたという。

 一方、ゲームでは「もっとチャラい男」の小中大。演じているのは、「いつか絶対仕事をしたいと思っていた」、ロックミュージシャンとしても活躍する鮎川誠さんだ。「オファーしたら、鮎川さん、勝手に自分は裁判長だと思って打ち合わせに来たんです。裁判長はありえないでしょう、(福岡県出身で)標準語しゃべれないし、ロックンローラーに裁判長は無理でしょうといったら、鮎川さん、いや、おっかしいなとは思うとったんよねって。あれだけの個性なので、いい役者になると思ったんですね」と笑顔で明かした。

 こうして出来上がった映画「逆転裁判」。原作に忠実であろうとしながら、オリジナルのキャラクターも投入してみせる。そのあたりのさじ加減と遊び心もまた、三池作品の魅力なのだ。

 <プロフィル>

 1960年大阪府出身。横浜放送映画専門学院を卒業後、今村昌平監督や恩地日出夫監督に師事。91年監督デビュー。以来、極道モノからアクション、ホラー、ファミリー向け、青春モノなどジャンルを問わず作り続け、業界内では器用な作り手として名高い。海外での評価も高い。他の主な作品に「着信アリ」(04年)、「妖怪大戦争」(05年)、「クローズZERO1、2」(07年、09年)、「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(07年)、「ヤッターマン」(09年)、「十三人の刺客」(10年)、「忍たま乱太郎」(11年)、「一命」(11年)など。

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