話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、学校の授業中に風変わりな遊びに熱中する男子生徒と隣の席の女子生徒の攻防を描いた森繁拓真さんのコメディーマンガ「となりの関くん」です。「月刊コミックフラッパー」(メディアファクトリー)編集部の遠藤雅己さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−この作品の魅力は?
“消しゴムドミノ”や独自ルールのオセロ、さらには机の研磨まで……。授業中の教室で、先生に見つからずにさまざまな遊び(?)に熱中する男子・関くんと、そんな関くんを苦々しく思いながらもその遊びから目が離せない女子・横井さん。授業中の教室という限定された舞台における2人の静かなる攻防を描くコメディー、それが「となりの関くん」です。
作品の魅力は「それだけの内容なのに面白い!」でしょう。関くんの職人的なこだわりによって“授業中にこっそり行われる内職”の範囲を逸脱して展開する“遊び”。また、そんな“関くん遊び”の観察者、あるいは妨害役として(心ならずも)遊びに参加してしまう横井さん。この2人の次の行動から目が離せなくなってしまう、そんな面白さに満ちています。
−−作品が生まれたきっかけは?
森繁さんから3本分のネームを見せていただいた時点で、すでに修正の必要がない完成度だったので、担当編集としての生みの苦労はないのですが……。ただ、今までにない種類の面白さだったので、最初に読み切りで掲載後、読者からの大好評という形で反応が見えるまでは非常に不安でした。
−−編集者として作品を担当して大変だったエピソードを教えてください。
第1巻のあとがきで、森繁さんがメディアファクトリーのホワイトボードを“大変魅力的に”紹介されて以来、来社した作家さんやお客さんから「実物を見たいんですが……」と言われるのですが……。実際には森繁さんが描かれていたほどスゴイものではないので、「メディアファクトリーに来たらコレ見とかなきゃ!」みたいに期待されても正直困ります。しかし、そういう森繁さんの細やかな観察力や描写力があればこそ、「関くん」が生まれたのだと思います。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
関くんは今後も無言なのか!? 関くんにつられて授業を聞かなくなっていく横井さんは大丈夫なのか!? そして横井さんしかしゃべらないこの作品の映像化は可能なのか……!? などは担当編集自身も気になるところではありますが、おかげさまで「マンガ大賞」や「このマンガがすごい!」などでもお取り上げいただけるようになりました。これもひとえに読者や書店員の皆様のおかげです。なお、「となりの関くん」は決して“授業サボり”を推奨する反社会的マンガではありませんので、学生の皆さんはちゃんと授業を受けてください!
メディアファクトリー コミックフラッパー編集部 遠藤雅己
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