07年の脚本デビュー作「JUNO/ジュノ」でいきなり米アカデミー賞脚本賞に輝いたディアブロ・コディさんが、同作のジェイソン・ライトマン監督と再びタッグを組んだ「ヤング≒アダルト」が25日、公開された。主演のオスカー女優シャーリーズ・セロンさんの演技は、笑える半面胸にグサグサと突き刺さり、最後にはカラリと笑顔で終われる、共感度抜群のヒューマン作だ。
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主人公は、セロンさんふんする自称作家、実際はゴーストライターのメイビス・ゲイリー、37歳。執筆中のヤングアダルト小説の打ち切りが決まり、うつうつとした毎日に嫌気がさした彼女は、突然、すでに妻子がいる高校時代の元彼とヨリを戻そうと考える。早速身支度をし、故郷へ向かったメイビスだったが、その行動は、周囲の人々を大いに戸惑わせる……。
メイビスは正直、嫌になるほどの“ビッチ”だ。自分は特別だと思っていて、自己顕示欲が異常に強い。自分の幸せのためなら、他人をおとしめることも平気でする。そんな彼女だから、観客は共感に至るまでには少々時間がかかるだろう。でも、そのビッチぶりにきちんとした理由があることが分かったとき、おそらく全員とはいわないまでも、ほとんどの観客は、彼女のことをいとおしく思うに違いない。
ストリッパーとしてステージに立っていたことがあるなど異色の人生経験を持ち、その分、人間に対する洞察力に優れているであろうコディさんと、人間の内面に潜むややこしい部分をすくいとるのがうまいライトマン監督。そして、役のためなら顔や体形までも変えてしまう“女優版ロバート・デ・ニーロ”のセロンさん。今回の彼女は、外見の変化こそあまりないが、内面の化けっぷりはさすがだ。そんな3人が奏でるアンサンブルは、まさに絶妙。25日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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