映画「エイリアン」「ブレードランナー」で知られるリドリー・スコット監督とその弟で「トップガン」などを手がけたトニー・スコット監督の兄弟が、東日本大震災から1年後の12年3月11日に撮影した映像を動画共有サービス「YouTube」で一般から募集し、映画化することが28日、分かった。仙台市出身のフジテレビ編成担当者が企画し、リドリー監督に手紙を出したことから実現した。被災した地域へは約200台のビデオカメラが貸し出される。映画の収益の一部は被災地に寄付される予定。
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映画は、震災から1年が経過した3月11日を人々がどう過ごすのかを記録して共有するプロジェクト「Japan in a Day ジャパン イン ア デイ」の一環で、12年3月11日午前0時~深夜23時59分に撮影し、同映画のYouTube特設サイトへ投稿された映像と、フジテレビの取材映像などを集めて編集する。両監督が設立した英国の映画製作会社「スコット・フリー」とフジテレビが共同製作し、両監督が製作総指揮を担当。12年秋から日本を皮切りに世界各国で劇場公開される予定で、国際映画祭への出品も予定されている。
プロジェクトのきっかけは、震災で自らも多くの友人を亡くした、今回チーフプロデューサーを務めるフジテレビ編成制作局の早川敬之さんが、世界192カ国から投稿された動画を編集して両監督が製作した実験的ドキュメンタリー映画「Life in a Day」を見て、11年末にリドリー監督に手紙を送ったことだった。リドリー監督は手紙に共感し、プロジェクトが現実した。
リドリー監督は11年に公開された「Life in a Day」について「映画製作に参加する機会を世界中の人々に与えるという新しい実験でした。個人からの動画投稿にはそれぞれのストーリー、秘密や願望が詰まっており、(映像から)今日を生きるとはどういうことかを見ることができた」とコメント。そして今回の「Japan in a Day」については「もっと密に、今日を生きる日本人の日常や希望、恐怖や夢を垣間見ることができると思います」とその意義を語っている。「Life in a Day」は、投稿した動画が映画に採用された場合、エンドロールに投稿者の名前が表示されたが、今回も同様の方式が検討されている。
また震災に際して「メディアに携わる人間として何かできないか」と考え、今回の企画に至った早川チーフプロデューサーは「『自分に何ができるのか』。この1年、そう思い、悩み続けた皆様とこそ、このプロジェクトを一緒に進めたい」と語り、「あなたは、誰と、どんなふうに今年の3月11日を過ごしますか。記録と記憶を共有する映画『Japan in a Day』にたくさんの投稿をお待ちしています」と呼びかけている。
動画の投稿は、応募者が日本人の場合は13歳以上、外国籍の場合は各国の定めで成人(撮影日時点)であれば可能。プロアマ問わず、撮影場所も問わない。投稿受け付けは3月11~25日。詳細はフジテレビホームページ内の「Japan in a Day」サイトで公開される。問い合わせは「Japan in a Day事務局」(電話03・3529・3470)で午前10時~午後6時に受け付ける。EU圏、米国、中国、韓国などでも募集告知が行われる。(毎日新聞デジタル)
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