横浜DeNAベイスターズの誕生や、大物選手のFA移籍など、例年以上に話題の多い12年のプロ野球。昨年のデータに加え、選手の移籍なども取り込むなど最新データを反映させたゲーム「プロ野球スピリッツ2012」(コナミデジタルエンタテインメント)でシミュレーションを行った。前身の横浜ベイスターズでは4年連続で最下位に沈んでいるが、中畑清監督を迎え“指定席”の脱出を果たせるか。昨年のシミュレーションでは、斎藤佑樹投手の勝ち星(6勝)、ソフトバンクの日本一などを当てたが、どうなるか?(毎日新聞デジタル)
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今回使用した「プロ野球スピリッツ2012」は、昨年のデータを元にした本物そっくりの選手たちが活躍する本格派の野球ゲームだ。シミュレーションはPS3版で行い、DeNAを選んで全144試合のペナントレースを予想。公平を期すため、全操作をコンピューターが行う形にした。(以下、選手敬称略)
DeNAは、現役時代に人気選手だった中畑新監督の動向に注目が集まっているが、戦力的には新加入選手と若手の活躍という戦力の「上乗せ」は絶対条件。チームの顔・村田が巨人にFA移籍したため、打線では、巨人から加入したラミレスと、40試合で8本塁打を放った和製大砲の筒香(つつごう)の活躍に期待。投手陣は昨年5勝ながらエースになった高崎の飛躍と、同じく5勝に終わったベテラン・三浦の復活など先発陣の奮起が欲しい。セットアッパーの藤江、不動の抑えの山口と後ろは安定しているだけに、接戦勝負に持ち込みたいところだ。
開幕の阪神戦は、勢いをつけるため絶対落とせないゲームだが、阪神のエース・能見の前に五回までわずか1安打に抑え込まれた。一方、開幕投手となった高崎は、一・ニ回のピンチこそ切り抜けたが、五回に鳥谷に打たれて先制点を奪われた。DeNA打線は、六・八回の好機を逃したが、九回に登場した阪神の守護神・藤川をつかまえる。2死二塁の好機を作ると、中畑監督が動く。そして代打・吉村が藤川の152キロの直球をはじき返す値千金の二塁打で同点とし、十回には2番の石川が勝ち越しのタイムリーを放って接戦をモノにした。
2戦目も三浦の好投で勝って開幕カードの勝ち越しを決めると、広島、ヤクルト、巨人に勝ち越して4月20日には2位に浮上。首位は広島で“下克上”の予感も漂ったが、世の中そう甘くはない。DeNAはゴールデンウイークに8連敗し、一気に最下位へ沈んでしまう。交流戦も11勝13敗と善戦したが勝ち越せず、オールスター前の前半戦では39勝46敗で最下位こそ脱出したが、上位との差が開くばかり。後半も、大きな連敗こそしないが連勝もなく、結局59勝82敗3分けに終わった。だが広島との激しい争いを制して、最下位脱出は果たした。
シーズンを振り返ってみると、DeNAのチーム打率は.239だが、何とリーグ1位タイと健闘。ラミレスがリーグ6位の打率.294、本塁打はリーグ3位の26本をたたき出したほか、期待の筒香も9月の月間MVPを取るなど成長を見せた。一方、投手陣は、防御率3.73でリーグ最下位。ベテランの三浦こそ、10勝7敗(防御率2.58)と奮戦したものの、他の先発陣はいずれも2けたの負けを記録した。セットアッパーの江尻が防御率1.70、抑えの山口も27セーブで防御率2.09と安定しただけに、先発陣がもっと踏ん張れば上の順位もねらえたはずだが……。
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セは巨人、パは日本ハムが圧倒的な強さでリーグを制した。特に大きな戦力補強のあった巨人の強さは群を抜いており、序盤こそ5割ラインをさまよっていたが、交流戦後に首位に立つとそこからは独走。8月19日に優勝を決めた。2位は、昨年MVPの浅尾、抑えの岩瀬が活躍した中日で、昨年クライマックスシリーズに進出したヤクルトは先発投手陣が崩れて4位にとどまった。そして金本らベテラン勢が奮戦した阪神が3位に滑り込んだ。広島は4月に首位に立ったが、交流戦で最下位となったのが響いた。
パは、交流戦で優勝した日本ハムが、斎藤佑をはじめ投手陣のレベルが高く、巨人と同じく独走で優勝。昨年日本一だったソフトバンクは、主力選手の抜けた穴を埋めきれなかったが、層の厚さを見せて2位を確保した。3位のロッテは投打のバランスがよくAクラス入り。4位の楽天は打線の低迷が響き、5位の西武は、打線は絶好調で中村と中島がタイトルを獲得するなど活躍したが、投手陣の不振が足をひっぱった。6位のオリックスは、前半戦こそ上位争いをしたが、後半に選手層の薄さが災いして失速した。
クライマックスシリーズは巨人の力が目立つ展開となり、中日に2勝1分け、日本シリーズでは日本ハムに4連勝し、無敗で頂点に輝いた。特に先発陣は5人が全員2ケタ勝利を挙げ、内海は最多勝(16勝)と最優秀防御率(1.70)の活躍で、沢村賞とMVPを獲得した。大型移籍として注目された杉内は13勝3敗で防御率は2.20、ホールトンは13勝10敗で防御率は2.23ときっちり結果を残した。
ゲームは巨人の日本一に終わったが、実際のペナントレースは、期待された主力選手の不振やケガ、急成長する選手もいて、予想外の展開になるものだ。現にオープン戦ではヤクルトが41年ぶりの優勝を決めている。ひいきのチームを応援しながら、今年のプロ野球を楽しみたい。
セ・リーグ:(1)巨人(2)中日(3)阪神(4)ヤクルト(5)DeNA(6)広島
パ・リーグ:(1)日本ハム(2)ソフトバンク(3)ロッテ(4)楽天(5)西武(6)オリックス
セ・パ交流戦:優勝=日本ハム
各タイトル
セ・リーグ首位打者:長野(巨人).359▽本塁打王:ブランコ(中日)30▽打点王:ラミレス(DeNA)102▽盗塁王:荒木(中日)30▽最優秀防御率:内海(巨人)1.70▽最多勝:内海(巨人)16▽最多セーブ:岩瀬(中日)45
パリーグ首位打者:栗山(西武).383▽本塁打王:中村(西武)42▽打点王:中村(西武)113▽盗塁王:本多(ソフトバンク)59▽最優秀防御率:田中(楽天)1.73▽最多勝:武田勝(日本ハム)16▽最多セーブ:武田久41
浅尾(中日)8勝2敗 防御率1.05(51HP)▽川上(中日)6勝5敗 防御率3.80▽村田(巨人)打率.226 本塁打19▽畠山(ヤクルト)打率.256 本塁打25▽帆足(ソフトバンク)14勝8敗 防御率3.04▽斎藤佑樹(日本ハム)12勝5敗 防御率3.02▽菊池(西武)10勝4敗 防御率3.03▽田中(楽天)14勝7敗 防御率1.73▽内川(ソフトバンク)打率.403 本塁打5 ※出場91試合▽中田翔(日本ハム)打率.268 本塁打23▽中村(西武)打率.247 本塁打42▽李大浩(オリックス)打率.256 本塁打30
藤岡(ロッテ)8勝9敗 防御率2.62▽十亀(西武)2勝0敗 防御率4.29▽野村(広島)4勝5敗 防御率4.07▽高橋(中日)打率.280 本塁打12
本物そっくりの選手たちが活躍する本格派の野球ゲームで、顔はもちろん動きやしぐさはそっくりで、能力などのデータは昨年の成績や過去の実績などから割り出している。好きなチームで好みのスターティングオーダーを組んでプレーできるのはもちろん、1人の選手になりきってプロ生活を送ったり、監督として采配を振るなど、さまざまな遊び方が楽しめる。「ペナントレース」のモードでは、全144試合を戦い抜くだけでなく、新人選手の指名合戦が白熱するドラフト会議も再現しており、最大20年間かけてチーム作りができる。高画質で現実とうり二つのPS3版、気軽に持ち出せる携帯ゲーム機向けのPSP版、高画質と持ち出しやすさの両方を備えたPSVita版の3種類がある。29日発売予定。
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