ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
戦国武将を美少女キャラクターに置き換えて描いたアニメやマンガ、ゲームが相次いで放送・発売されている。美少女の戦国武将が現代で過ごす「戦国コレクション」が放送中で、12年夏からは美少女の「織田信奈」が天下統一を目指す「織田信奈の野望」が放送される。ゲームでも美少女の戦国武将が続々登場するPSP用ソフト「桜花センゴク Portable」が6月に発売される。戦国武将の女性化についてファンの間でも賛否両論があるが、制作側とファンの側ともにメリットが存在するようだ。(毎日新聞デジタル)
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「戦国コレクション」は、300万人以上の登録会員数を抱えるコナミデジタルエンタテインメントのソーシャルゲームが原作で、現実の歴史とは全く違った時間をたどった異世界の「戦国世界」の美少女たちが、なぜか現代に飛ばされてしまうという物語だ。作品に登場する「小悪魔王・織田信長」は、赤いロングヘアの美少女で、プライドが高く、好奇心旺盛で前向きな生きざまを評価するという設定だ。
また「織田信奈の野望」は、春日みかげさん作、みやま零さんイラストのライトノベルが原作。平凡な男子高校生がタイムスリップをしてたどり着いた世界は、織田信長と名前がそっくりな「織田信奈」という美少女をはじめ、戦国武将が女の子になっている世界だった……という内容。こちらの「信奈」は、金髪の美少女で奇妙な振る舞いをし、「……であるか」が口ぐせ、好きなことを好きといえない「ツンデレ」な性格になっている。
「桜花センゴク Portable」は、明智光秀と同姓同名の主人公が、戦国武将たちの生まれ変わりが集う学園に転校し、パワフルで常識はずれな美少女たちに翻弄(ほんろう)されるコメディータッチの恋愛ゲームとなっている。もちろん同作の「織田信長ちゃん」も美少女で、過激な発言と型破りな行動、強烈な天運を持ち合わせている。
3人の「信長」に共通しているのは、容姿などは全く別だが、歴史上に伝わる織田信長の性格、イメージを何かしらの形で反映したことだ。これは人から好かれたといわれる豊臣(羽柴)秀吉、我慢を重ねて天下を取った徳川家康など、他の戦国系美少女キャラクターにも共通している。
こうした美少女キャラ化は戦国時代にとどまらず、三国志の劉備や関羽、果ては第二次世界大戦の兵器である零戦や戦艦大和など人間以外にも及んでいる。こうした動きは賛否両論だが、作品は次々と生まれて定着しつつある。ここ2年のテレビアニメだけでも、柳生十兵衛が美少女になった「百花繚乱SAMURAI GIRLS」、三国志の武将が美少女キャラクターになった「真・恋姫†無双~乙女大乱~」、パチンコのキャラクターが原作で女の子しかいない戦国時代を舞台にした「戦国乙女~桃色パラドックス~」がある。
ファンの反応もさまざまで、歴史に詳しい人ほど「ありえない」と反発したり、からかうようなコメントを寄せる人もいれば、逆に特定のキャラクターに声援を送る人もいたり、「俺の嫁(お気に入りを意味するネットの俗語)」と最大限の“賛辞”を送る人もいたりする。
なぜ歴史上の人物が美少女化されるのか。サブカルチャーに詳しい批評家の多根清史さんは、制作側とファンの双方にメリットがあると指摘する。制作側のメリットは「歴史上の人物は『版権フリーで有名キャラクターの宝庫』であること。既に知名度が高い人物ばかりなので、キャラクターを認知してもらうための時間・費用も節約できる」と指摘する。特に戦国時代は「桶狭間の戦い」や「敵に塩を送る」といったエピソードも豊かで、ストーリー上の段取りを省略してキャラを立てたり、物語の「山場を作る」ことも容易だという。さらに、短期決戦となる1クール(3カ月)のアニメではこの認知の省略が強みになり、潜在的にはファンがアニメなどの「聖地巡礼」のコラボも望めるという。
またファン側の心理について多根さんは「歴史の話だから『親しみやすく、勉強になりそう』というプラスのイメージが働いている。また歴史の美少女キャラは、極端なアレンジが入っていても、どこかに“史実”の要素は含んでいるからなじみやすく、昨今の『雑学・教養ブーム』とリンクしているともいえそうです」と分析している。
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2024年11月22日 11:00時点
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