注目映画紹介:「アンネの追憶」 親友の目を通して父の追憶としてアンネが描かれる

(C)ITALIAN INTERNATIONAL FILM sri
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 「アンネの日記」のアンネ・フランクについて生き残った父親オットーの追憶として描かれた「アンネの追憶」(アルベルト・ネグリン監督)が公開中だ。アンネの親友ハネリ・ホスラーさんのインタビューをまとめた本が原作で、アンネ死後のエピソードを盛り込み、新鮮な印象の作品に仕上がっている。アンネ役の子役の目力は力強いの一言。音楽は巨匠エンニオ・モリコーネさんが担当した。

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 1935年、アンネ(ロザベル・ラウレンティ・セラーズさん)は同じユダヤ系の少女ハネリと仲良くなった。ハネリらに囲まれて13歳の誕生日を幸せに過ごすアンネは、父親のオットー(エミリオ・ソルフィリッツィさん)から日記帳をプレゼントされる。しかし、社会は戦争の色が濃くなり、ユダヤ人迫害が始まった。アンネ一家はオットーの経営する会社を隠れ家にして過ごしていたが、見つかってしまう。アンネが書いた日記を、会社の女性ミープが拾い上げた。アンネ一家は貨車に乗せられて強制収容所に送られた。ほどなくして親友のハネリ一家も別の収容所に入れられていた……という展開。

 アンネ一家だけでなく、ハネリ一家がたどった数奇な運命も語られる。ネグリン監督の両親はユダヤ人迫害から逃れた経歴を持つという。これまでもホロコーストを題材にしたテレビ映画を作ってきただけあり、哲学的なせりふがちりばめられていて、人間の罪を見つめさせる。ユダヤ人の行き先を選別するシーンで号泣しそうになったが、病気で寝ていたハネリがパッと勢いよく起きた場面にはちょっとびっくりした。後半は物語が少々急ぎ足だと感じるかもしれない。14日から有楽町スバル座(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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