特撮博物館:“館長”は庵野秀明 500点のミニチュア模型を一挙展示 ナウシカ・巨神兵の特撮映像も

「館長 庵野秀明 特撮博物館」の記者発表会に登場した(左から)鈴木敏夫プロデューサー、庵野秀明監督、樋口真嗣監督と「マイティジャック」のMJ号のミニチュア模型=2012年5月10日撮影
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「館長 庵野秀明 特撮博物館」の記者発表会に登場した(左から)鈴木敏夫プロデューサー、庵野秀明監督、樋口真嗣監督と「マイティジャック」のMJ号のミニチュア模型=2012年5月10日撮影

 “特撮”がテーマの展覧会「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」が7月10日から東京都現代美術館(東京都江東区)で開催されることになり、“館長”を務めるアニメ「エヴァンゲリオン」などで知られる庵野秀明さんが10日に東京都内で開かれた記者発表会に登場した。展覧会では「ゴジラ」「マイティジャック」「帰ってきたウルトラマン」などの特撮作品に使用されたミニチュアや着ぐるみ、デザイン画など約500点を展示。さらに、宮崎駿監督の劇場版アニメ「風の谷のナウシカ」の「巨神兵」が登場する特撮作品「巨神兵東京に現わる」が今回のために制作され、上映される。

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 庵野監督は「(特撮作品に関わった)人が亡くなり、(ミニチュア模型など)物が消えてしまっている。今やらないとできなくなると思った。当時使われていたミニチュアなどの技術を文化遺産として後世に残していきたい」と企画意図を説明。さらに「価値を感じない人には粗大ゴミに見えるかもしれないけど、僕は文化遺産だと思う。国もアニメやゲームだけでなく、(特撮に)お金を回してほしい」と特撮作品への熱い思いを語った。

 東京都現代美術館では03年から毎年、スタジオジブリの企画協力のもと、アニメに関する企画展を開催しており、10回目となる12年は特撮作品をテーマに開催。最近の特撮作品はCGやVFXを駆使して制作されているが、同展覧会ではミニチュア模型を使って撮影された特撮作品に焦点を当てる。「巨神兵東京に現わる」は、「風の谷のナウシカ」の巨神兵の登場シーンの作画を手がけた庵野監督が企画し、平成版「ガメラ」シリーズや「ローレライ」を手がけた樋口真嗣監督がメガホンをとる。

 発表会には、樋口監督やスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーも登壇。鈴木プロデューサーは、展覧会を開催することになったいきさつを「彼(庵野監督)とは古い知り合いなのでたまに会うんですよ。10年1月末に、特撮の博物館を作りたいという話があった。最終的な目標は博物館を作ることだけど、(今回、展覧会を開くことで)現状どこに何があるかリストができた」と話した。

 さらに、鈴木プロデューサーは「巨神兵東京に現わる」について「ジブリで会議をしているときに、パッと(アイデアが)出た。すぐに『ナウシカ』の原作者(宮崎監督)のところに行って、話をしたら『うーん……、いいよ』となった。『ナウシカを出すのはダメ』といわれたけど」とコメント。樋口監督は「5分以上10分未満になりそう。絶賛制作中です。奥にいる人(宮崎監督)がいいかげんな仕事をさせてないので……」と笑顔で話した。

 また、庵野監督は「僕は『ウルトラマン』の衝撃が今も残っている。特撮やアニメを見ていなかったら、こういう仕事をしていないと思う」、樋口監督は「(特撮作品は)本物じゃないものを本物のように見せるもの。ジブリのアニメも、本物よりも本物らしく見えることがある」とそれぞれ話し、発表会の会場に設置された「マイティジャック」のMJ号のミニチュア模型や巨神兵などのフィギュアを見ながら「ここからレーザーが……」などと説明し始めるなど特撮作品についての熱いトークを繰り広げていた。

 「館長 庵野秀明 特撮博物館」は7月10日~10月8日(月曜は休館)に開催。開館時間は午前10時~午後6時。入場料は大人・大学生が1400円(前売り1300円)、中高生が900円(前売り800円)、小学生が400円(前売り300円)。会場では、巨神兵のフィギュアなども販売される。(毎日新聞デジタル)

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