タレントの黒柳徹子さんが15日、オーディトリウム渋谷(東京都渋谷区)で行われた映画「チャップリン・ザ・ルーツ 傑作短編集・完全デジタルリマスター」(22日公開)のトークショーに登場。米国から追放されていたチャップリンが1972年、米アカデミー特別賞を受賞し、20年ぶりに帰国する歴史的タイミングで、直接会って話したという黒柳さんは、「日本の皆さんにお伝えすることはありますか?と聞いたら、『日本のみんなに愛してるとお伝えください』とおっしゃった」と告白。チャップリンとはずっと手を握って会話をしたという黒柳さんは「昔からファンでしたから、本当にうれしかった。光栄に思っています」と笑顔でチャップリンとの思い出を披露した。
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黒柳さんは「チャップリンがニューヨークを通ってハリウッド(の授賞式)に行くので、その様子を報告してくださいとNHKから言われたんです。一番いい振り袖を着ていきました」と語り、多くの報道陣が詰めかける中、どうしても直接チャップリンと話したかったという黒柳さんは「ガードマンにお願いしたんです。振り袖を見て、ガードマンは(チャップリンに会って)いいよって言ってくれた」とチャップリンに直接会えた理由は“振り袖”だったと振り返った。
当時のチャップリンの様子を「髪が真っ白で、顔がピンク色で、体がふっくらしてらした」と明かした黒柳さん。チャップリンに会った瞬間について、「立ち上がって、『ジャパン!』と言ったと思ったら、目の周りと鼻が真っ赤になって、目に涙がいっぱい浮かんで。本当に感動なさっているのが分かった」としみじみ。チャップリンの秘書を18年間務めた高野虎市さんが、1971年に亡くなったことを後ほど知ったという黒柳さんは、「ジャパンと言って泣いてくださるなんて思ってなかったから、感動した」と目を細めた。これらの経験が元になり、黒柳さんは日本チャップリン協会の名誉会長を務めている。
「チャップリン・ザ・ルーツ」は、「キッド」「黄金狂時代」「街の灯」「モダン・タイムス」「独裁者」などで知られる世界の喜劇王、チャーリー・チャップリンの傑作短編集をデジタルリマスター化したもの。1914年にデビューしてからの4年間に、60本もの短編映画に出演し修業を積んだチャップリン。今回は、チャップリンの習作時代と言われる初期短編の完全デジタルリマスター版を世界で初めて劇場公開することで話題を呼んでいる。2010年に96年ぶりに発見された幻の出演作「A Thief Catcher(泥棒を捕まえる人)」も同時公開される。(毎日新聞デジタル)
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