大ヒットした米ドラマ「24 −TWENTY FOUR−」シリーズの捜査官ジャック・バウアー役で知られるキーファー・サザーランドさん主演の海外ドラマ最新作「TOUCH/タッチ」が5日、WOWOWでスタートする。日本語吹き替え版では、サザーランドさん演じる主人公のマーティン・ボームの声をバウアー役に引き続き、俳優の小山力也さんが担当。「24」がヒットし、サザーランドさんといえば小山さんの声がすっかりおなじみになっているが、「TOUCH」ではどんな声の演技を聞かせてくれるのか。小山さんに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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サザーランドさんが演じる主人公のマーティンは、01年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件で妻サラを失って以来、職を転々としながら無言症の幼い息子・ジェイク(デビッド・マズーズ君)の面倒を見る元新聞記者の男。ジェイクは生まれてからひと言も話したことがなく、感情も見せず、マーティンにすら触られることを拒んでいる。だが、あるきっかけからマーティンは、ジェイクには過去から未来の各時代や国境を超えた人々のつながりを知覚する能力があり、それを数字を通して伝えようとしていると考えるようになる。マーティンは、ジェイクが次々と示す“奇跡の数字”を解読し、世界中の人々を救おうと励む……というストーリー。「HEROES/ヒーローズ」のティム・クリングさんが制作総指揮を担当している。
「TOUCH」は「24」と比較するとアクションシーンは少なく、主人公のマーティンはバウアーのように肉体的に優れた人物ではない。「TOUCH」では、普通の男性が特殊な能力を持つ息子と向き合うことで、事件を解決していこうとする姿を描いている。小山さんは、声を担当することになった際に「『24』との違いを鮮明にしてほしい」と依頼されたことを明かし、演技について「マーティンはバウアーのようなスーパーマンではない。自分本位なわけではないし、周りがよく見えている。温かさ、まろやかさが出るようにした」と説明する。
小山さんは、今作や「24」を含め、多くの作品でサザーランドさんの吹き替えを担当しているが、サザーランドさんの演技は“息”に特徴があると分析する。「バウアーは、常に追い込まれているので、周りを見えていないことを表現するために息遣いがはっきり分かるようにしていた。ただ、吹き替えでは忠実に息をまねすると、うそっぽくなるので、うまくクセを利用する。『TOUCH』では、バウアーと同じように走っていても、運動経験がそんなにない人が一生懸命走っている……というように違いがうまい具合に出ればと思った」と話すように、“息”を意識しながら吹き替えに臨んでいるようだ。
小山さんは、サザーランドさんの演技を細部まで分析しているようだが、一方で「声をまねするわけではない」と語る。「作品を生かすためにイントネーションを踏襲することはあるけど、まねをすることはない。抑揚が激しい演技を日本語にすると、日常会話のようにならず、うそっぽくなる。一方で、必要に応じて、クセに引っ張られ、パターン化することはある。血の通ったものにしたいと考えている」と“吹き替え論”を展開した。
最後に、小山さんは「TOUCH」について、「脚本が素晴らしいドラマ。私自身、今後どのように展開するのか楽しみ。きっと素晴らしくなっているはず」とPRする。
「TOUCH」は、5日から2カ国語版が毎週金曜午後11時(字幕版が毎週月曜深夜0時10分)に放送予定。全12話。
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