西岡利晃選手:「すべての意味でビッグファイト」 ドネア選手との頂上決戦を前に意気込み

「世界スーパーバンタム級王座統一戦」でノニト・ドネア選手と対戦するWBC世界スーパーバンタム級名誉王者の西岡利晃選手 (C)帝拳
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「世界スーパーバンタム級王座統一戦」でノニト・ドネア選手と対戦するWBC世界スーパーバンタム級名誉王者の西岡利晃選手 (C)帝拳

 WBC世界スーパーバンタム級名誉王者の西岡利晃選手(帝拳)とWBO・IBF世界同級王者のノニト・ドネア選手(フィリピン)が対戦する「世界スーパーバンタム級王座統一戦」が13日(現地時間)、米カリフォルニア州カーソンの「ホーム・デポ・センター」で開かれる。この模様は14日にWOWOWで生中継。試合を目前に控えた西岡選手にこの一戦にかける意気込みや展望などを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 西岡選手は、94年にプロデビューし、00年のバンタム級で世界初挑戦。その後、スーパーバンタム級に階級を上げてから連勝を重ね、08年に悲願の世界王座獲得を果たした。その後は、日本人初の初防衛から4連続KO防衛、11年の7度目の防衛戦で日本人で唯一となるボクシングの聖地・米ラスベガスでの防衛、さらに日本人初となる名誉チャンピオンまで上りつめるなど日本のボクシング界をけん引してきている。

 一方のドネア選手は、4階級制覇を達成している次世代スーパースター。「パッキャオ2世」ともいわれ、7月にはIBF世界同級王者ジェフリー・マセブラ選手を降し、WBO・IBFの王座を統一。西岡選手はその試合を観戦し、試合後にはリング上で直接「対戦したい」と伝えるなど、対戦を熱望。この一戦を見据え、準備を進めてきたという。

 −−念願のドネア選手との対戦がかないました。決まった瞬間の感想は?

 やはりうれしかったですね。前日までは確実に100%ないと思っていたので、驚きと喜びの両方がありました。

 −−前回の試合からほぼ1年がたちました。気持ちの浮き沈みもあったと思いますが、どのような気持ちで過ごしてきましたか?

 僕自身が一番燃えられる試合というのが、軽量級の"パウンド・フォー・パウンド"であるドネア選手との試合だったので、それ以外の試合はもうはさまないでドネア選手と試合をやろうと、そう決めて年内は待とうと決心していました。

 −−気持ち的に苦しかった時期というのはありましたか?

 その繰り返しですね。これまでの間に決まりそうだというタイミングもありましたし、だめだというときもありましたし、練習もそれで一喜一憂してトレーニングに気合が入ったり、テンションが下がったり、本当にいろんなことがありました。

 −−そんな中、ご自身で緊張感を保つためにやっていたことなどありますか。

 試合の期間が空くので、とにかくブランクという形を作らず、トレーニングを続けてある程度の体を維持しながら、いつ試合が決まってもいいように態勢を整えておくという、まさに臨戦態勢ですね。それがこれほど大変なことだとは思いませんでした。

 −−西岡選手ほどのキャリアがあっても、こういうことは初めてだったのでしょうか?

 そうですね、待つということがこれほど精神的にきついということは、やってみて初めて思いましたね。

 −−ドネアにそこまでこだわってきた理由はなんでしょう?

 最強を証明できるからです。

 −−長いボクシング人生で、このドネア戦はどのような位置づけになるのでしょうか。

 やはり一番大きな試合だと思っています。スーパーバンダム級の頂上決戦でもありますし、4本のベルトを懸けた試合というのも他の階級ではなかなかないことです。すべての意味でビッグファイトだと思っています。

 −−周囲ではよく「最終章」といういわれ方をしていますが、西岡選手自身の認識はいかがでしょうか。

 先のことは本当に考えられないです。試合のことしか考えていないので、その先はそのときになってみないと分かりません。

 −−ドネア選手の一番すごいところはどこでしょうか。また、印象に残っている試合は?

 やはりビック・ダルチニャン選手を強烈なKOで倒した試合と、フェルナンド・モンティエル選手を同じく強烈な左フック一撃でKO勝利した試合の2試合は一番印象に残っていますね。

 −−やはりドネア選手の左フックが今回の試合のポイントになるのでしょうか?

 左フックに限らず、左アッパーも含めて左はどのパンチも強いです。右も速いですね。

 −−ずばり、どのような試合展開を予想しますか?

 ドネア選手の出方にもよりますし、リングに上がってから展開が変わると思います。

 −−ドネア戦に向けて、今思っていることは?

 勝利を確信しています。その一言ですかね。

−−この一戦を楽しみにしている日本のボクシングファンに、どういうところを見てほしいですか。

 そうですね、人に見てもらうためにやろうというのは、正直ないんです。自分のやりたい試合、ワクワクする試合をやって、それで結果、見てくれている人が楽しんでくれたり、感動してくれたりしたら、僕としては本当にうれしいですね。

 −−間違いなく最高の試合が見られると期待していいですか?

 本当にドネア選手とはかみあうと思いますから、すごい試合になると思います。

 WOWOWでは、西岡選手とドネア選手の一戦を「生中継! エキサイトマッチスペシャル 頂上決戦! 西岡利晃vsノニト・ドネア」として、14日午前11時から「WOWOWプライム」で生中継する。また、試合前の12日には西岡選手の名勝負4試合を一挙放送する「頂上決戦への軌跡」などの関連番組も放送する。

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