ミステリーの女王、アガサ・クリスティー原作の舞台公演「招かれざる客」の公開舞台げいこが12日、東京の「シアター1010(センジュ)」で行われ、主演を務める浅丘ルリ子さん、肺がんでの治療休養から復帰作となる古谷一行さん、2人とは初共演となる川崎麻世さんらが取材に応じた。妻でタレントのカイヤさんと別居中の川崎さんは「舞台はサスペンスですが、僕にとって最大のサスペンスはうちの家庭なんで、この先どうなるか。先が全く見えない。面白いですね」と笑ったが、最近はカイヤさんと4、5日間連絡を取れないといい、「LINEのメッセージは読んでない。たまにショートメールでミーティング中と(連絡がある)。何か、起こっていますね、きっと……」とつぶやき、報道陣を沸かせた。
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舞台は、浅丘さんが主演で上演するアガサ・クリスティーシリーズの3作目。庭を見渡す窓の前で、車いすに座った館の主人が頭を拳銃で撃ち抜かれて死んでいた。その傍らには、被害者の夫人が拳銃を握ったまま立ち尽くしていた。そこへ、濃霧のため車が溝にはまって立ち往生し、たまたまこの館に立ち寄った1人の男が入ってきて男は夫を殺したと自供する美しい夫人のために一計を巡らすが、事件は全く意外な方向へ向かう……という展開。川崎さんは2週間遅れでけいこに入ったといい、「遅れた分を取り戻そうと必死だったけれど、皆さんに助けられてます。人生経験もいろいろおありでしょうから、けいこを見ていても素晴らしい」と共演者を絶賛した。
舞台復帰について、古谷さんは「すごく不安がいっぱいでした。立ちげいこ初日でせりふが言えないとか、あり得ると思っていたので、公演前ですが、自分の中ではできる、うれしいというのがまず第一です」と語った。体調については「面白いもんで、せりふが多いところが大変なんじゃない。テンションが上がるところは5分やっても苦しくなる」と明かしたが、「一つ一つクリアしていけていますよ。まだいけるな」と笑顔を見せた。
浅丘さんは「古谷さんはせりふが一番多いかもしれません、まだいけますよ」といい、作品の魅力について「どうしてこんなに次々とサスペンスを書けるのかしらと思うくらい。とても複雑で、この面白さをどうやって表現するか。だからとっても疲れるんです。私たちが疲れないと皆さんが楽しんでいただけない、今回は疲れて頑張ります」と意気込んでいた。13日に「シアター1010」でプレビュー公演を行った後、東京公演は「ル テアトル銀座」(東京都中央区)で11月10~18日に上演。全席指定で9800円、2人用のボックス席は1万9000円。(毎日新聞デジタル)