MD松尾の月間ヒット予測：例年より苦戦か　「龍が如く」「WiiU」に期待　12年12月

　「ヒット解析」でおなじみ、TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー（MD）の松尾武人さんが、その経験と綿密な調査で、月間ランキングを大胆に予測する月1回の企画「MD松尾の月間ヒット予測」です。

あなたにオススメ

来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹”　朝ドラヒロインまで手が届くか

　11年の12月は、「マリオカート7」（任天堂）、「モンスターハンター3G」（カプコン）といった大作が相次いだこともあり、3DS市場が活況でした。11月に発売された「スーパーマリオ3Dランド」（任天堂）を含めると、最終的にミリオンを突破したタイトルが3作もあったのはよかったですね。また、TSUTAYAのランキングのトップは「ファイナルファンタジー（FF）13−2」（PS3、スクウェア・エニックス）が獲得。前作には及ばなかったものの上々の売り上げで、中旬には新型ゲーム機「PSVita」も登場して大いに盛り上がりました。

　さて、マリオにFF、モンハンとビッグタイトルのおかげで活況だった11年ですが、今年はタイトルが少なく例年よりも苦戦しそう。

　TSUTAYAで首位を獲得するとみているのは「龍が如く5」（PS3、セガ）です。複数の主人公による群像劇となった前作「4」で新規ユーザーを獲得しましたが、11月に発売された「龍が如く1＆2　HDエディション」（同）で、PS2版を遊んでいた30代以上のユーザーが戻ってきており、「4」を超える予約が集まっています。PS3は、10月の「バイオハザード6」（カプコン）、11月の「テイルズ オブ エクシリア2」（バンダイナムコゲームス）と毎月人気タイトルが投入されるいい流れができているのも好材料。TSUTAYAでは、シリーズの歴史を振り返ることができる特製DVDを特典で付けるので、特典の効果も期待できそうです。

　続くのは、現在も大人気の「とびだせ　どうぶつの森」（3DS、任天堂）でしょう。ここからの流れで、ハードは3DSが圧倒しそう。「真・北斗無双」（PS3、コーエーテクモゲームス）あたりでしょう。「真・北斗無双」は、南斗五車星、ファルコなどの多くのキャラクターが登場するので原作ファンの注目を集めるでしょう。また、クリスマス商戦向けのタイトルとして「ワンピース ROMANCE DAWN 冒険の夜明け」（PSP、バンダイナムコゲームス）あたりもよさそう。また、「AKB1/149 恋愛総選挙」（同）も10枚もの映像DVDが付いた「超豪華誰得BOX」の予約が好調です。

　忘れてはいけないのが任天堂の新型ゲーム機「WiiU」です。同時発売タイトルも「ニュースーパーマリオブラザーズU」「Nintedo　Land」（ともに任天堂）といったライトユーザー向けから「モンスターハンター3 HDバージョン」（カプコン）、「アサシンクリード3」（UBIソフト）といったコアユーザー向けのものまで幅広いラインアップ。予約も好調で、中でも「モンスターハンター3 HDバージョン」とコントローラーの同梱（どうこん）セットはかなりの盛り上がりをみせています。ソフト単体では「ニュースーパーマリオブラザーズU」が一番人気ですね。

　◇12年12月のヒット予測

1位　龍が如く5（PS3）

2位　とびだせ　どうぶつの森（3DS）

3位　真・北斗無双（PS3）

4位　ニュースーパーマリオブラザーズU（WiiU）

5位　ワンピース ROMANCE DAWN 冒険の夜明け（PSP）

6位　ペーパーマリオ　スーパーシール（3DS）

7位　AKB1/149 恋愛総選挙（PSP）

8位　ファンタジーライフ（3DS）

9位　レイトン教授VS逆転裁判（3DS）

10位　Nintedo　Land（WiiU）

　◇参考資料 11年12月売り上げ結果（TSUTAYA調べ）

1位　ファイナルファンタジー13−2（PS3）

2位　マリオカート7（3DS）

3位　モンスターハンター3G（3DS）

4位　機動戦士ガンダム エクストリームバーサス（PS3）

5位　無双OROCHI2（PS3）

6位　スーパーマリオ3Dランド（3DS）

7位　ザ エルダースクロールズ5：スカイリム（PS3）

8位　イナズマイレブン GO シャイン（3DS）

9位　とんがりボウシとおしゃれな魔法使い（DS）

10位　ジャストダンスWii（Wii）

　◇プロフィル

　松尾武人（まつお・たけと） TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

　「GAME TSUTAYA」加盟約500店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。96年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。02年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩いてきた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。