マンガ家の弘兼憲史さんの代表作で、来年に連載30周年を迎える「島耕作」シリーズの最新作「社長 島耕作」で、主人公の島耕作が連載で初めて社長職を退く意向を漏らす場面が、6日発売の週刊マンガ誌「モーニング」13年1号(講談社)に掲載された。今後の展開で慰留される可能性もあるが、65歳の耕作がサラリーマンの“夢”である「大企業のトップ」から降りるかも含めて注目を集めそうだ。
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島耕作シリーズは累計約4000万部を発行する人気作品で、83年に「課長 島耕作」のタイトル名で連載が始まった。大手家電メーカー「初芝電器産業」に勤める島耕作が、次々と難題を解決し、社内恋愛もし、社内の派閥抗争とは距離を置きながら出世するという団塊世代のサラリーマンの“あこがれ”を描いている。出世とともにタイトルも「部長」「取締役」「常務」「専務」と変更され、08年から「社長」のタイトルが付いた。
主人公が勤務した「初芝電器産業」は弘兼さんがマンガ家デビュー前に勤務していた松下電器産業(現パナソニック)がモデルで、パナソニックによる三洋電機の完全子会社化を、作品で先に描いて“予言”したことも話題になった。また08年の耕作の社長就任時には、架空のキャラクターでもあるにもかかわらず、新聞やテレビで取り上げられるほど話題になった。
「社長 島耕作」では、島耕作が経営統合後の持ち株会社「初芝五洋ホールディングス」の初代社長に就任し、海外の家電メーカーとの激しい競争、世界的なブランド戦略の立案と社名の変更など、実際の電機業界の動きを作品に反映させた物語が展開されている。(毎日新聞デジタル)
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