西田敏行:故郷・福島が舞台「八重の桜」に懸ける思い 「東北の復興なくして日本はない」

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 6日にスタートしたNHK大河ドラマ「八重の桜」で福島県出身の俳優の西田敏行さんが会津藩(現在の福島県)の家老・西郷頼母(たのも)を演じている。「(東日本大震災の被災者に)大河を通じて、東北の復興なくして日本はないという自信を持ってもらいたい」と力強く語る西田さんに役やドラマへの思いを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 ◇故郷への思いから出演を快諾 「役者として意味のある役をいただけた」

 ドラマは、福島県出身で戊辰(ぼしん)戦争の落日、会津の鶴ケ城に500人の女たちと立てこもり、銃を持って戦ったことから“幕末のジャンヌ・ダルク”と呼ばれ、後に同志社大学を創設した新島襄の妻となる新島八重(1845~1932)の生涯を描く。主人公・八重を綾瀬はるかさん、八重の兄・覚馬を西島秀俊さん、八重の最初の夫・川崎尚之助を長谷川博己さん、後の夫・新島襄をオダギリジョーさん、会津藩の最後の藩主・松平容保を綾野剛さんが演じるほか、玉山鉄二さん、小栗旬さん、黒木メイサさん、剛力彩芽さんらが出演する。

 西田さんが演じる西郷頼母は、代々同藩の家老を務める家柄に生まれ、京都守護職就任を要請された藩主・松平容保に辞退を進言し、上洛して守護職辞退を申し立てたため、家老職を解任される。戊辰戦争時は家老に復職するが、総督として戦った「白河口の戦い」で惨敗し、“藩主一同玉砕”を進言したことで、城から退去させられる。その後、旧幕府軍の榎本武揚と合流して箱館(現・函館)に向かうことになる人物。

 「翔ぶが如く」(90年)や「八代将軍吉宗」(95年)など数々の大河ドラマに出演経験のある西田さんだが、今回は「大河は1年のスパンで撮影するので覚悟がいる。ほかの仕事の兼ね合いも考えて、(大河ドラマの出演の)リタイアも考えた」と出演を躊躇(ちゅうちょ)した時期があったことを明かす。しかし「福島が舞台ということで、断るわけにはいかなかった。役者として意味のある役をいただけた」という強い思いから出演を決めたという。

 西田さんは福島で過ごした少年時代に、薩摩藩や長州藩と戦った二本松少年隊の話を聞いて育った。「福島に帰ると、維新が正しかったのか?と思うことがある。昔は福島弁は俳優としてリスキーだと感じていたが、今は誇りを持っている」と故郷への思いを語る。

 ◇綾瀬はるかと綾野剛にメロメロ?

 西田さんが演じる西郷頼母は松平容保(綾野さん)に仕えていることもあり、綾野さんとの共演シーンが多い。西田さんは、綾野さんについて「扮装ぶりを見ると、写真の容保とよく似ていて、ダブってきてね。会津の人は容保を愛しているので、自然と“殿”と呼んでいますよ。この間、一緒にスッポンを食べてに行ってねえ。うれしかったなあ」と楽しそうに話す。

 主演の綾瀬さんに話題に上ると「はるかちゃんは、素直で頭がいいですね。それに元気。ああいう人には久しく会っていない。相手との垣根を作らないし、誰とでも友だちになれる。会って、見つめられると楽になるし、プレッシャーを与えない。天性のものですよ。すごいと思います。(出演者は)みんな、はるかちゃんが好き」と絶賛する。

 また、西田さんは「翔ぶが如く」の撮影の際は、共演者と酒をくみ交わしながら、演技について議論することも多かったというが、現在65歳ということもあり、今回は「暴飲暴食はさけます」と宣言。「主演がはるかちゃんなので、お野菜を中心にやさしく食べますよ」と話すように、体調管理に気をつけながら役に臨んでいるようだ。

 「八重の桜」はNHK総合テレビで毎週日曜午後8時放送。全50回を予定している。(毎日新聞デジタル)

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