佐野勇斗:「おむすび」プロ野球選手の夢が絶たれた翔也は「すごくリアル」 歩の言葉に背中押され「“ギャル魂”ってすてきだな」

NHK連続テレビ小説「おむすび」に出演する佐野勇斗さん(右)と仲里依紗さん(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「おむすび」に出演する佐野勇斗さん(右)と仲里依紗さん(C)NHK

 俳優の橋本環奈さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、結(橋本さん)の恋人でメジャーリーガーを目指していた四ツ木翔也を演じている佐野勇斗さん。ピッチング練習についての裏話や、肩を痛めた翔也を演じる上で意識したことなどについて話を聞いた。

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 ◇球の速度を上げるためこっそり増量

 野球一筋の翔也を演じるにあたり、人生で初めて丸刈りにしたという佐野さん。髪の毛の一部は自ら剃(そ)ったといい、「生まれてこの方、髪の毛をここまで短くしたことがなくて、僕自身も髪の毛を切ることに関しては勇気がいりました」と明かす。

 「ただ、この世界に入ってからの目標だった朝ドラということもあって決意しました。周りからは『意外と似合ってるね』『モンチッチに似てるね』という二通りの声がありました」と笑う。

 佐野さんはソフトボールの経験はあるものの、野球は未経験。地元・愛知に住んでいた頃は、父親と一緒に現バンテリンドームナゴヤ(名古屋市東区)に足を運び、中日ドラゴンズを応援するなど、もともと野球は好きだったという。

 「野球の上投げの投球は初めてでしたが、ソフトボールをやっていた頃は、ショートやセカンド、ピッチャーの経験もあったので正直謎の自信があったんです。でも、やってみたらめちゃくちゃ難しくて苦労しましたね。プロの方々が簡単そうに150~160キロとか投げているのを見ると、相当な努力をされているんだなと、一ファンとして改めてすごさを感じました」

 ピッチング練習について尋ねると、「実は初めから110キロぐらい投げられたんです」と明かし、「そこから1キロ、2キロとスピードを上げるのが本当に難しくて。体重を増やさないと球の速度ってなかなか上がらないんですよ」と説明。

 「初めは高校球児の役だったので、体重を増やさないように制作側から言われていたのですが、どうしてもスピードを上げたかったので、5~6キロほどこっそり増量したんです。フォームも直していただいて、2、3カ月練習をして、119キロの球が投げられるようになりました。でも、1キロを積み上げるのが本当に大変で、結局それ以上は伸びませんでした」と苦笑いした。

 ◇翔也を演じる上で意識したこと「自分ももし夢を絶たれたらどうなるのだろう?」

 第12週で右肩の負傷が明らかになり、プロ野球選手への道が閉ざされてしまった翔也。第13週では、野球一筋に生きてきた翔也の苦悩を、佐野さんが繊細に体現している。翔也が夢を絶たれる展開について、佐野さんは「すごくリアルでいいなと思いました」と語る。

 「ドラマとか映画だと、頑張ってもがいて、目標達成できて『やったね』という展開になるイメージもあると思うのですが、そこをそう描かないのがリアルですよね。誰もが努力して夢がかなうわけじゃないけれど、翔也の成長は努力した上にあるものだから、その生き様が描かれるのは、すごく魅力的だなと感じました」

 野球ができなくなり落胆した翔也は、髪を金髪に染め、現実逃避するかのように「ギャルになりたい」と言い出し、結に激怒されてしまう。そんな翔也を立ち直らせたのは、歩(仲里依紗さん)の“ギャル魂”だった。

 佐野さんは「(12月26日放送の第64回での)『大好きな人と、今この瞬間を、大切に思いっきり楽しんだら、未来も変わるかもよ』という歩のせりふを聞いた時は、“ギャル魂”ってすてきだなと思いました」と笑顔を見せた。

 第13週以降の展開については、「翔也の人生の中でも大きな転換期、一番の山場」と語り、「肩を壊してからの挫折という、一つの目標に向かって一直線で走っていた人が、その夢を絶たれてからどう生きていくのかというのは、自分ももし夢を絶たれたらどうなるのだろう? と考えながら演じました」と撮影を振り返った。

 すれ違ってしまった結と翔也に、今後どのような展開が待ち受けているのか。2人の恋模様を見守りたい。

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