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おむすび:“美佐江”キムラ緑子が感じた「被災した体験を演じることの難しさ」 避難所の撮影にもどかしさも「ここで寝泊まりして撮影できたらいいのに」

連続テレビ小説「おむすび」で佐久間美佐江を演じるキムラ緑子さん(C)NHK

 俳優の橋本環奈さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、うわさ話が大好きな商店街のパン屋・佐久間美佐江を演じているキムラ緑子さん。キムラさんが、阪神・淡路大震災の被災者を演じる難しさや、神戸・さくら通り商店街のメンバーについて語った。

 ◇BKでの撮影は「ほっとします」

 兵庫県出身のキムラさんは、これまでに数多くの朝ドラに出演。「おむすび」への出演について「関西出身ですし、大阪でお仕事をさせてもらうことも多いので、朝ドラの撮影を大阪でできることは、ほっとしますね。BK(NHK大阪放送局)はアットホームな雰囲気なので、関西弁でお芝居ができることをうれしく思っています」と語る。

 演じる美佐江について、「さくら通り商店街でパン屋を営む美佐江は、明るくて元気で人を幸せにしようとする女性です。30年前の阪神・淡路大震災で被災していますが、震災という壮絶な体験をもつ人は本当に強くて優しいのです」と説明。

 一方で、「被災した体験を演じることの難しさを感じています」と明かし、「実際に被災したことがないので、それは絶対に無理なんです。でも無理だと思い続けても、それでも起こったことを何とか想像して演じることが大事だと思っています」と話す。

 「食べ物がない、水がない、何日も着替えもできないという避難所の設定であっても、実際の避難所の撮影では、その日に現場に入ってその時だけの撮影です。もうずっとここで寝泊まりして撮影できたらいいのにと、もどかしさを感じていました」

 ◇美佐江が抱える孝雄への思い「愛が無いと他人に対して怒らない」

 「おむすび」神戸編では、美佐江をはじめ、個性豊かなキャラクターたちが登場している。さくら通り商店街の面々について、キムラさんは「全員が知り合いで、一緒に商売して助け合って一体感があります。ヘアサロンヨネダにしょっちゅう集まって居心地が良い家族のようなんです」とコメント。

 「テーラー店の高橋役を演じる内場勝則さんはお笑いのプロなので、こちらがどんな演技をしても、きっちり受け止めて返してくれるので安心感があります。ほかの商店街の面々も和む人ばかりなので雰囲気の良さが画面を通して伝わるといいですね」

 美佐江は、一人娘の真紀(大島美優さん)を震災で亡くし、心を閉ざしてしまった孝雄(緒形直人さん)と犬猿の仲だが、「孝雄とも、きっと仲が良かった時代があったんだと思います。震災で娘さんを亡くしたつらさから抜けられずにいる孝雄を、なんとかそこから抜け出させてあげたくて美佐江はジリジリしている」と語る。

 「そのジリジリが怒りになっているんです。憎しみではないんですよね、すごく愛があるんだと思います。愛が無いと他人に対して怒らないじゃないですか。関わりが深い人だからなんとかしてあげたいし、だからこそ『バカヤロー!』とも思ってしまう。関係性が濃いんですよね。その人の関わりの深さも商店街ならではだと思います」

 最後に、視聴者に向けて「震災の問題が奥底にあって震災のPTSDも描かれますが、物語としてはずっと明るいです。神戸の商店街の面々のにぎやかさもそうですし。ギャルの子たちも個性的でかっこいいですよ。そこも楽しみにご覧になっていただきたいです」とメッセージを送った。

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