みりちゃむ:“口げんか最強ギャル”ほぼ演技未経験で朝ドラ「おむすび」抜てき 芝居は「正解がないから面白い」 ギャル以外の役にも意欲

NHK連続テレビ小説「おむすび」でみりちゃむさん演じる“ルーリー”こと真島瑠梨 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「おむすび」でみりちゃむさん演じる“ルーリー”こと真島瑠梨 (C)NHK

 俳優の橋本環奈さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、「博多ギャル連合(ハギャレン)」の現総代表の“ルーリー”こと真島瑠梨を演じている令和のギャル、みりちゃむさん。朝ドラ初出演を果たした心境や、演技の楽しさ、今後の目標などについて聞いた。

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 ◇オーディションでギャル役に抜てき

 みりちゃむさんは、2002年7月10日生まれ、埼玉県出身の22歳。ギャル雑誌「egg」の専属モデルとして活躍していた現役のギャル。元テレビ東京プロデューサー・佐久間宣行さんのYouTubeの公式チャンネルの動画企画で芸人らを罵倒する様子が話題となり、「口げんか最強ギャル」として注目を集めるなど、バラエティーを中心に活躍してきた。

 みりちゃむさんは、女性1864件、男性391件の応募の中から6人が選ばれた過去最大規模の「若手オーディション」に参加し、ルーリー役に抜てきされた。

 「『ルーリー役で決まりました』とマネジャーさんから聞いた時は、『えっ? 決まったの? ラッキー』ぐらいの感覚で、あんまり実感が湧かなかったんですよね」

 実際に放送が始まると、みりちゃむさんの演技を見た母親から「一発目の登場シーン、棒読みじゃね?」と指摘されたと笑う。

 「母親からすると、娘が朝ドラに出ているのは変な感覚みたいです。特にアドバイスをもらうことはないですが、母親もギャルだったので、『こういう服、ママも着てたわ~』と懐かしそうに話していますね」

 ◇本格的な演技に初挑戦も「いろんな表現の仕方があって面白い」

 みりちゃむさんが本格的な演技に挑戦するのは、「おむすび」が初めて。泣きの演技に挑んだ際の心境を振り返り、「自分が泣くシーンを撮った後に、橋本環奈ちゃんの泣き芝居を見た時があったんですが、『どうやってこんなに泣けるの?』って驚きました。環奈ちゃんはせりふだけじゃなくて、目線の動きもすごくて、いつも芝居を見て勉強させてもらっています」と語る。

 橋本さんはじめ、演技の経験が豊富な同世代のキャストが多い現場で、みりちゃむさんはたくさんの刺激を受けているようだ。撮影を重ねる中で、演技の楽しさに目覚めたといい、「せりふ一つでもいろんな表現の仕方があって、正解がないから面白いです」と目を輝かせる。

 「スズリン役の岡本夏美ちゃんや、風見先輩役の松本怜生さんに『ここってどうしたらいいの?』って聞くとアドバイスをもらえるので、ありがたいです。この人によってはこういう表現の仕方もあるんだ、と学びがあります」

 演じる上で意識していることを尋ねると、「実は、相手側のせりふをあまり頭に入れないで、撮影に臨んでいます。受けるせりふが分からないからこそ、リアルに近い反応ができることに気付いて。脚本を書いている根本ノンジさんには本当に申し訳ないんですけど、自分のせりふ以外はあまり覚えないで現場に行くようにしています」と明かす。

 今後の目標については、「まだまだ演技もド素人なので、ギャルじゃない役をやったら、どんな感じになるんだろう? やってみたいな~と思います。ギャルとは真逆なめちゃくちゃ清楚(せいそ)な役をやってみたいですね。ただ、口調が大丈夫か心配ですが」とちゃめっ気たっぷりに語った。

 ◇ギャルのイメージをポジティブに

 現役のギャルであるみりちゃむさんが、平成ギャルを演じている本作。ヒロイン・結の姉で“伝説のギャル”として知られる歩を演じる仲里依紗さんは、同役を演じるに当たって「この作品で私はギャルのイメージをポジティブに変えたいなと思っているんです」とコメントを寄せていたが、みりちゃむさんも「ギャルで生きてきた中で心無い言葉をもらうことも多かったので、それがいい方向に変わってくれたら、生きやすいな、うれしいなと思います」と吐露する。

 「ギャルに対して偏見を持っている人って、多分まだまだいらっしゃると思うんですけど、X(旧ツイッター)で『おむすび』の感想を見ていると、最初は『ギャル嫌い』みたいなコメントが多かったんですよ。でも、ハギャレンが糸島フェスティバルでパラパラを踊った頃には、『最初は嫌いだったけどギャルがいないと寂しい』というようなコメントをしてくれる方が増えてきて。ギャルに対する見方が変わってきてくれているんだなと感じています」

 最後に、11月11日から始まる第7週以降の見どころについて、「ここからは、ハギャレンも“THEギャルの友情”という感じになっていきます。前半のような大きなゴタゴタはなく、ギャル特有の仲間内で楽しんでいる姿が見どころですね。和気あいあいなギャルたちを見ていただけたらうれしいです」と呼びかけた。

 演技はほぼ未経験ながら、「みりちゃむさんの演技には独特の間があって、そのリズムが他の俳優さんに波及していく」(制作統括の宇佐川隆史さん)という生来の吸引力を持っているみりちゃむさん。今後、どんな演技を見せてくれるのか、楽しみでならない。

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