おむすび:橋本環奈のヒロインとしての抜群の安定感 「紅白に嫉妬」した制作統括 脚本・根本ノンジも太鼓判

NHK連続テレビ小説「おむすび」の一場面(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「おむすび」の一場面(C)NHK

 放送中の橋本環奈さん主演の2024年度後期のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」(総合、月~土曜午前8時ほか)。平成ギャル、パラパラなどを扱った斬新な内容が話題だが、ヒロインを演じる橋本さんの安定感抜群の演技がドラマの根幹を支えているといっても過言ではない。制作統括の宇佐川隆史さんと脚本を担当する根本ノンジさんに、ヒロインとしての橋本さんの存在感について聞いた。

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 ◇紅白での司会ぶりを見て感じた「悔しい思い」

 「おむすび」は、平成元年生まれのヒロイン結(橋本さん)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく、“平成青春グラフィティー”だ。NHKのドラマ「正直不動産」などの脚本を手掛けた根本さんのオリジナル作品となる。

 橋本さんをヒロインに指名した理由について、昨年8月の発表会見で宇佐川さんは、演技力や気負わない雰囲気、食べっぷりなどを挙げた。

 宇佐川さんが、橋本さんの「主演としてそこにいて変わらぬ笑顔で、みんなを無理なく引っ張っていってくれる。それがものすごく安心感にもつながっている」という魅力に、はっきりと気付いたのは、2022年の大みそかに橋本さんが初めて紅白歌合戦の司会を務めたときだった。

 宇佐川さんは「紅白で最初に橋本さんが司会をされたとき、それを見て嫉妬したんです」と切り出した。「橋本さんは50組ぐらいのスーパースターの方々がいる中で、しっかりと皆さんを受け止めて、自分が前に出るとかではなく、ちゃんと一緒に前に進んでいくというか、進行されている姿を見て、ああ、なぜこの姿を本業である芝居で先に見せられなかったんだろうと思って、すごく悔しい思いをしました」と語る。

 橋本さんのその姿が「そのときに作っていた『おむすび』のヒロイン、米田結の物語と合致するということと、橋本さんの新しい魅力にもなるのではと思い、お芝居でそういう部分が発揮できたらより一層面白いのではないかと思い、オファーしました」と明かす。

 そして、実際に演じてみて「飾らないご本人の本来の性格と、結の心根が合致していて、すごく新しい魅力として出ているんじゃないかと思います。すごく魅力にあふれるヒロイン。でも(周囲が個性的すぎて)結は何者でもないというところが、橋本さんだからこそできるお芝居になっているのかなと思います」と評する。

 ◇脚本家が最初に子供時代を描かなかった理由

 脚本を担当している根本さんは、「橋本さんに主演が決まる前からプロットなどは作り始めており、米田結というキャラクターはできていた」と振り返る。

 実際に脚本を書き始めたのは、橋本さんが主演に決まったあとだったというが、「橋本さんになったから(結の)何かを変えるということはしてないですね」といい、「結と橋本さんが(自然に)近づいていくという感じではあるんですけれど」と実感を語る。

 橋本さんの「もともとおいしそうに食べるとか。元気な感じというのは持っているポテンシャルではあるので、そこを橋本さんに合わせるというよりは、橋本さんが見事に演じてくれているなという感じです」とその演技をたたえる。

 そして、橋本さんの演技を見て、「いや素晴らしいですね。あのコメディエンヌぶり」と太鼓判を押す。

 「僕は今回初めて一緒にお仕事させていただくんですが、もともとキャラクター立ちをさせるのがすごく上手で、コメディーの感覚がとても優れてるなと思っていました。ツッコミぜりふみたいなものだとか、心の声でツッコんだりとかが、声のトーンと間が完璧なんですよ。笑いの間というかですね」という印象を持っていた。

 根本さんは第1週の本読みに同席し、「見事な間とタイミングだったので、この人ならもっともっと面白いシーンを入れても大丈夫だなと思って、笑いの部分に関してはどんどん増えていっている感じなんです」と明かす。

 ちなみに、朝ドラ定番の第1週が子供時代ではなかった理由を、根本さんは「最初から橋本さんを見たいよねという、自分の素直な思いです」と率直な気持ちを語った。

 コメディエンヌの才能も含めて、橋本さんの卓越した対応力と安定感のあるお芝居に支えられた「おむすび」。今後の展開がますます楽しみだ。

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