じゃあ、あんたが作ってみろよ
第9話 おにぎり食べて、元気だせ!
12月2日(火)放送分
橋本環奈さん主演の2024年度後期の連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」が9月30日にスタートした。「らんまん」「ブギウギ」「虎に翼」と主人公に実在のモデルがいる過去の物語が3作続いた朝ドラだが、「おむすび」では平成の、しかもギャル文化を描くというかなり斬新な内容となる。制作統括の宇佐川隆史さんに、橋本さんらのキャスティングや平成を舞台にしたわけ、初回から朝ドラ定番のタイトルコールと“水落ち”を持ってきた理由などを聞いた。
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「おむすび」は、NHKの連続テレビ小説の第111作。元号が「平成」に変わった日に生まれたヒロイン・米田結(よねだ・ゆい、橋本さん)が、福岡でギャルとして育ったあと、あるきっかけから関西で管理栄養士を目指す……という“平成青春グラフィティー”。NHKのドラマ「正直不動産」などで知られる脚本家・根本ノンジさんのオリジナル作品となる。
今回の朝ドラについて、宇佐川さんは「皆さんの朝を元気にしたい、楽しくしたいという思いがある」と熱く語る。「常に本気で愚直に元気にするにはどうすればいいかというのをとことん考え続けてきた」結果、ヒロインの橋本環奈さんをはじめとしたキャストをそろえ、主題歌をB’zに依頼したという。
ヒロインの橋本さんに関しては「決して気持ちの上での無理をしないというマイペースさで、どんな時でもそのマイペースさを崩さず、私たちを引っ張ってってくれるんです。彼女が主演としてそこにいて変わらぬ笑顔で、みんなを無理なく引っ張っていってくれるんですよね。それがものすごく安心感にもつながっている」と評する。
橋本さん演じる主人公の米田結について、「周りがすごくて、米田結は取り立てて素晴らしい何かの能力を持った人というわけではないんです。それを橋本さんに演じてもらうことで、何か新しい部分が引き出せるのではないかと思っています」と期待を寄せる。
初週から祖父役の松平健さんも活躍する。「福岡の人のパワーを表現するにはどうすればいいかと思った時に第一候補として素直に思い当たったのが松平さんでした。最近では幅広い年齢層の方々にパワーを与えていらっしゃいますし、あのホークスの法被を着た松平さんを想像した時にスタッフみんなが笑顔になって、もうこれ以上の元気(を与えられること)はないなと思って、お願いした」と起用理由を説明する。
松平さんら米田家のキャストがカメラが回っていないところでそろって“健康体操”をするなど、すでに本物の家族のような絆が育っているという。
なぜ舞台を平成にしたのか。「朝ドラの可能性として、やはりトライした方がいいだろうという感覚は持ってました」とチャレンジだったことを明かす。
「平成は“失われた10年”から始まって、今の不安な状況につながっているみたいなことがいわれているんですけれど、私たちの見解としては、いや、そうは言っても、なんとか生きてきたし、なんなら楽しかったよね、頑張ってきたよねというふうにスタッフ間で盛り上がったんですね。で、楽観的すぎるかもしれませんけれども、だから大丈夫だよ、今も、頑張っていこう、楽しんでいこうよとストレートにメッセージがお届けできるんじゃないかと思って平成を舞台にしました」と説明する。
さらに「物語がスタートするのは2004年なんです。ある意味、本当は平成だと1990年代がボリュームゾーンで、そういう楽しいところを描けばいいんじゃないかっていうのはあるんですけれども、そうではなく、あえて平成のど真ん中、2004年から始めた。無理に平成を良い時代に見せたいわけではない、でも本当に私たち楽しかったよね、頑張ってきたよねって。あの時代を生きた証しを見せたいという。すべては今につながるため、今を元気づけるために選んだという感じです」と熱く語る。
宇佐川さんと脚本の根本さんは2人とも「朝ドラが大好き」だという。それが朝ドラ史上最速?ともいえる初回のヒロインのタイトルコールと“水落ち”に早速表れている。
「これは朝ドラが大好きという私たちからのラブレターみたいなものかなと思っています。あまりに唐突なので、思わず笑ってしまうかもしれませんが、これから朝ドラというものを担っていく橋本環奈さんがなぜ“水落ち”して人を助けたのかという部分が実は今後のテーマにも関わってくるんです。私たちがこれから朝ドラを作っていくんだったらきっとこういう”水落ち”のシーンを入れるだろうと。ならばもう最初に見てもらおうじゃないかと、裏側に物語とちょうどリンクするテーマもあったので、初回に入れさせてもらった。朝ドラのファンの方にもツッコミも含めて、メタになってますけども、楽しんでほしいなあという思いです」と語った。
ついに始まった朝ドラ「おむすび」。国民の朝をどのように元気にしてくれるのか、これからも楽しみに見守りたい。
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